どうも、キャプテンです。
今回は、Adobe(アドビ)の株価について、割高・割安を考えます。
アドビの基本情報は、以下の記事にまとめてあるので、そちらを読んでくださいね。
それでは、さっそくバリュエーションしていきましょう。
アドビの株価は割安?
直近の経営状況の振り返り
まずは、簡単に直近の経営状況を振り返っておきましょう。
(1)サブスクリプションが超好調
アドビはそもそも画像編集ソフトのPhotoshopやIllustrator、動画編集ソフトのPremiereやAfter Effectなどを販売していた会社です。
そんなアドビがサブスクリプションに力を入れ始めたのが2012年です。2013年からはパッケージ販売を終了して、サブスクリプションサービスである「Adobe Creative Cloud」に集中しています。これは月額7000円程度で上のようなソフトを使い放題になるというものです。
これがとても上手くいっており、2014年以降、業績はぐんぐんと伸びています。

(2)マーケティング支援のSaaSも提供
「Adobe Creative Cloud」に続いて、Adobeが力を入れているのが「Adobe Experience Cloud」です。
「Adobe Experience Cloud」は、様々なマーケティング支援ツールが使い放題になるサブスクリプション・サービスです。
アナリティクスツール「Adobe Analytics」やDMPツールの「Adobe Audience Manager」、ウェブ画面のA/Bテスト・パーソナライズツール「Adobe Target」などが含まれています。
FY2019には、前年比+37%の$2.7B程度の売上に成長しています。
(3)経営状況のまとめ
以下、アドビの直近の経営状況を再度整理します。
- 従来の人気ソフトをサブスク化した「Adobe Creative Cloud」が超好調
- マーケティング支援のSaaS「Adobe Experience Cloud」も順調に成長中
アドビのバリュエーション
さて、続いてアドビのバリュエーションを見ていきましょう。
(1)バリュエーションの基礎
まずは、バリュエーションの基本を振り返っておきましょう。
DCF法に基づく計算式
事業価値 = フリーキャッシュフロー / (割引率 − フリーキャッシュフロー成長率)
この事業価値が、現在の売値(時価総額 + 純負債)よりも高ければ割安、低ければ割高だと判断できます。
(2)アドビの売値
現在、アドビの時価総額は$186.9B、純負債は−38.5Bです(純負債はありません)。
合計すると、アドビは$148.4Bで売られていることになります。
(3)アドビのフリーキャッシュフロー
アドビの直近のフリーキャッシュフローを確認します。
ざっくりとしたフリーキャッシュフローは、FY2019時点で$4.03Bです。

(4)フリーキャッシュフローの成長率と事業価値
それでは、アドビの事業価値を計算してみましょう。
長期的な成長率が6%程度に収束すると考えた場合、フリーキャッシュフローの成長率に応じた事業価値を表にすると、以下のようになります。
割引率 | 成長率(5年) | 成長率(その後) | 事業価値 | 売値との差額 |
10% | 14% | 6% | 142.56 | -5.84 |
10% | 16% | 6% | 154.34 | 5.94 |
10% | 18% | 6% | 166.94 | 18.54 |
10% | 20% | 6% | 180.39 | 31.99 |
将来的に、成長率が6%程度に収束すると考えた場合、今後の成長率が16%程度であればフェアバリューです。
今後5年の成長率が16%程度よりも低い場合、現在の株価は割高です。
今後5年の成長率が16%程度よりも高い場合、現在の株価は割安です。
この16%程度というフリーキャッシュフロー成長率は現実的なのでしょうか?
フリーキャッシュフローではなくEPSになってしまいますが、アナリスト予想ではFY2023までのEPS成長率の平均17.5%程度となっています。

これらの数値から考えると、現在のアドビの株価は、概ねフェアバリューだと言えるでしょう。
ただし、5年後以降の長期的な成長率が6%と下回る場合は、さらに事業価値は下がります。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。