資産運用を始めたいけれど失敗しそうで怖いという方へ。
「投資で損をした話を聞いたことがあるので、資産運用を始めるのが怖い」、「失敗しない資産運用の方法があれば知りたい」と思っていませんか?
この記事では、以下の2点を説明します。
この記事で説明すること
- 資産運用における失敗パターンと対策
- 初心者でも失敗しない資産運用の方法
ちなみに、2の初心者でも失敗しない資産運用の方法として紹介する「インデックスの積立投資」は、シンプルで簡単な手法でありながらプロにも負けない資産運用の方法であることが世界的に知られており、「投資の神様」としても知られる世界3位の大富豪ウォーレン・バフェットも勧めている手法です。
筆者自身も、2019年時点で資産運用歴は5年以上となっており、いろいろな資産運用を行っていますが、それでも老後のための資産はインデックスの積立投資で形成しています。
以上から、この記事の内容は安心して読んでいただけると思います。
ぜひ、初心者でも失敗しない資産運用の方法を学んで、将来に向けた投資を始めてみてください。
この記事の目次
資産運用における5つの失敗パターンと対策方法

資産運用には、大きく分けて「長期投資」と「トレーディング」という2種類の投資スタイルがあるため、それぞれに分けて、失敗パターンと対策方法を紹介していきます。
長期投資における失敗と対策
長期投資というのは、将来的に資産価格(株価など)が上がるものを買って、長期間にわたって保有する投資スタイルです。
一度買ったら、じっくりと保有していればよいので、資産運用の初心者にも適した投資スタイルです。
さて、そんな長期投資で失敗をするパターンは、主に以下の3種類です。
長期投資の失敗パターン
- 長期的に上がらないものに投資してしまう
- 株価が安くなったときに、怖くなって売ってしまう
- 株価が安いときに、お金が必要になって売ってしまう
それぞれ解説していきたいと思います。
(1)長期的に上がらないものに投資してしまう
最も典型的な失敗パターンは、長期的に価格が上がっていかないものに投資をしてしまうことです。
当たり前のことですが、長期的に価格が上がらないものに投資をした場合、何年、何十年と保有しても、資産は全く増えないからです。
たとえば、以下はGREE(グリー)という会社の過去10年の株価チャートです。

GREEの株価チャート(Googleより)
2010年頃には「ソシャゲ」の担い手として、かなり注目されていました。
ところが、もしも2009年に投資をして2019年まで10年間GREEの株を保有していた場合、10年で株価は全く上がらないばかりか、わずかに下がってしまったことになります。
このように、長期で上がっていかないものに投資をしてしまうと、どれだけ長期で我慢して株を持ち続けても資産を増やすことができません。その間、本来上がるものに投資をしていれば得られた利益をすべて失っていることになるのです。
「オマハの賢人」とも呼ばれる投資家のウォーレン・バフェットは、長期的に資産価値が上がらないものに投資をして時間という機会を無駄にすることについて、以下のように述べています。
時間というのは、素晴らしいビジネスには友だちであっても、月並みなビジネスにとっては敵なのです。
『株主への手紙』より
これが長期投資で一番避けたい失敗です。
▼対策方法
この対策方法は、インデックス投資をすることです。
インデックスとは、複数の企業の株価から計算される指数のことで、たとえば日経平均などが日本では有名です(日経平均は日本の主要な225社の株価を単純平均した指数です)。
なぜインデックス投資が良いかというと、個別企業の株価が長期で上がるのか下がるのかというのは、初心者の方には特に判断が難しいからです。
たとえば日経平均に投資をしていれば、日本企業が全体的に成長すれば上がっていきます。しかし、個別企業の株に投資をするとなると、さらにその中から株価が上がるものを見つけて投資しなければいけないので、難易度が高くなるのです。
インデックス投資については、後ほど初心者でも失敗しない資産運用の方法として詳しく説明しますが、こちらの記事でも説明していますので、読んでみてください。
(2)株価が安くなったときに、怖くなって売ってしまう
続いて、初心者に多い失敗パターンは、せっかく長期では上がっていくであろうものに投資をしていたのに、一時的に下がったときに怖くなって売ってしまうというものです。
これも当たり前ですが、株を購入したときよりも安く売ってしまったら、儲けようがないからです。
資産運用を始めたばかりの頃は、株価が上下するのに慣れていないため、一時的に株を購入したときよりも株価が下がってしまうと「このまま株価はもっと下がるのではないか」、「もう株価は戻らないのではないか」と不安になるものです。
しかし、長期投資においては、(1)で書いたように長期的に価格が上がっているものに投資をしていることが大前提にはなりますが、短期的な価格の上下に惑わされるのではなく、長期でじっくりと投資をすることが大切です。
では、どのようにすれば良いのでしょうか。
▼対策方法
この対策方法は、少額から資産運用を始めることです。
少額であれば、一時的に損をしたとしても絶対額が少ないので、初心者の方でも落ち着きを失いにくいからです。
たとえば、いきなり100万円を投資して20%株価が下がったら20万円の含み損となります。株価が変動するのに慣れていないうちから20万円の含み損を抱えたら、不安で夜も眠れないでしょう。
一方で、たとえば最初は5万円から資産運用を始めていれば、同じく20%株価が下がったとしても1万円の含み損です。これであれば「もう少し様子を見よう」と落ち着いて見守れるのではないでしょうか。その結果、一時的に株価が下がっても、長期で保有すれば上がっていくという成功体験を積むことが出来れば、資産運用の金額を増やしていったとしても、過去の成功体験があるので、じっくりと長期投資ができるようになります。
ですから、資産運用を長期投資で行う場合には、まずは少額から始めてみるようにしましょう。
(3)株価が安いときに、お金が必要になって売ってしまう
最後に、長期投資で失敗するパターンとして、資金管理がきちんと出来ていないため、株価が安いときにお金が必要になって、株や投資信託を売らざるを得なくなるというパターンがあります。
たとえば、数か月後には引っ越しで必要になるお金を投資してしまっており、ちょうど引っ越しのタイミングで株価が下がっていたというようなパターンです。
いくら長期的に価格が上がるものに投資をしていて、株価が安くなっても精神的に持ちこたえられたとしても、実際にお金が必要になって売らざるを得なくなってしまっては、どうしようもありませんよね。
▼対策方法
このようなパターンの対策方法としては、きちんと資金管理をして、余裕資金で投資することです。先ほどの例でいうと、数か月後に引っ越しで必要となるお金を使っていなければ、売る必要はなかったわけです。
そもそも、資産運用に用いるべきお金は「余裕資金」です。
余裕資金とは何かというと、目先使う用途のない余っているお金ということです。
一般的に言われているのは、何かあったときのために半年分の生活費は資産運用とは別に現金として置いておくのが良いとされています。
たとえば、月に家賃も含めて20万円で生活している場合は、20万円×6か月で120万円を現金として置いておくわけです。自分の全資産が500万円であれば、120万円を除いた380万円を資産運用に回します。そうすれば、いざというときにお金が必要になったとしても、現金として置いてある120万円があるので、資産運用中の株式や投資信託等を売る必要はありません。
使用予定のある資金と余裕資金を分別して、資産運用は余裕資金で行うようにしましょう。
トレーディングにおける失敗と対策
長期投資が、長期的に資産を持ち続ける投資方法であったのに対して、トレーディングとは株式などを安く買って高く売るということを繰り返すことによって、その差額の儲けを積み重ねていく投資スタイルです。
トレーディングにおいて失敗しやすいポイントは2つあります。
トレーディングにおける失敗ポイント
- レバレッジを掛けて借金を抱えてしまう
- トレードのリスク管理が出来ていない
それぞれ解説していきます。
(1)レバレッジを掛けて借金を抱えてしまう
まず、トレーディングの失敗パターンのひとつめは、レバレッジを掛けて借金を抱えてしまうパターンです。
トレーディングにおいては、借金をすることで、実は資金効率が良くなります。
たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。
太郎くんと花子さんのトレーディング:株価が上がったケース
太郎くんは、100万円をA株に投資しました。
花子さんは、100万円に追加で200万円を借金して、300万円をA株に投資しました。
1か月後、A株の株価は2倍になりました。
さて、太郎くんは100万円が2倍の200万円になったので、このトレードによってお金が倍になりました。
一方、花子さんは、300万円が2倍の600万円になったので、そこから借金200万円を返したとしても、100万円が400万円に増えた、つまり4倍になったことになります。
このように借金をしてトレードをすることで資金効率を上げることを「レバレッジを掛ける」といいます。
しかし、レバレッジを掛けた取引は、とてもリスクが高いのも事実です。
一例として、先ほどは株価が2倍になったケースを考えましたが、逆に株価が半分になったケースを考えてみましょう。
太郎くんと花子さんのトレーディング:株価が下がったケース
太郎くんは、100万円をA株に投資しました。
花子さんは、100万円に追加で200万円を借金して、300万円をA株に投資しました。
1か月後、A株の株価は半分になりました。
太郎くんは、100万円が半分になったので、50万円の損失となりました。
一方、花子さんは300万円が半分の150万円になりました。200万円を借金して投資しているので、相殺しても50万円の借金が残ってしまったことになります。最初が100万円だったので、150万円のマイナスでもあります。
このように、レバレッジを掛けた取引は、株価が上がったときには多く利益を上げることができますが、逆に株価が下がったときには大きく損をしたうえに、借金が残ってしまうケースまであるのです。
▼対策方法
この対策方法は簡単です。資産運用の初心者はレバレッジを掛けないようにしましょう。
資産運用の初心者のうちは、どうしてもトレーディングの判断を誤ってしまいがちです。そんなときにレバレッジを掛けていると、大きな借金を抱えてしまう可能性まであります。
以下のリスク管理も含めて、しっかりとトレーディングのノウハウを学んで、実践までした上で、レバレッジを掛けた取引を行うようにしましょう。
トレーディングについて基礎からしっかりと学ぶためには、以下の本がオススメです。
(2)トレードのリスク管理が出来てない
トレーディングで失敗するもうひとつのパターンとしては、リスク管理が出来ていないというのがあります。
トレーディングというのは、株価が上がりそうな銘柄を買って、上がったら売るので、大切なのはその試行回数と回転速度です。そのため、株価が思ったように上がらなければ、その株を売って、他の株を買うことが重要なのです。
しかし、多くの初心者トレーダーは、自分の見立てが外れたことを認めたくないために、最初に買った株をずっと保有してしまったりします。
そうならないよう、リスク管理をしっかりとするようにしましょう。
▼対策方法
リスク管理が出来ていない人の対策方法としては「損切り」を徹底することから始めてみましょう。
例えば、株を購入したときの価格から7%下落したら、どんなに悔しくても、一度売るようにします。そうすれば、例えば1回あたり20万円でトレーディングをするとして、必ず7%で損切りするようにしていれば、1回のトレーディングで1万4千円以上に損失が膨らむことはありません。
「損切り」を徹底することで、リスクを管理しつつ、トレーディングの試行回数を増やすようにしましょう。
失敗しない資産運用の方法

さて、ここまで資産運用における主な失敗パターンを紹介してきましたが、初心者の方でも失敗しない資産運用の方法を説明します。初心者の方でも失敗しにくい資産運用というのは、ズバリ、インデックスに連動する投資信託を少額から積立投資することです。
インデックスに投資しよう
インデックスとは、複数の企業の株価から算出される指数のことを言います。このような指数に連動するよう投資を行うのが「インデックス投資」です。
特に初心者の方にオススメなのが、S&P500指数というインデックスに連動する投資信託に投資することです。
S&P500指数は、アメリカの主要500社の株価から算出される指数なので、アメリカの主要な500社に擬似的に投資していることになります。そのため、個別企業を選ぶ必要もないので、長期的に株価の上がらない企業に投資してしまうという失敗もありません。
S&P500指数は、過去を見ても、平均して年率7%程度で上昇してきた実績と歴史があるため、安心して長期投資することができます。
「インデックスって何?」「インデックス投資ってどうやるの?」など、インデックス投資については、以下の記事で詳しく説明しているので、興味がある方は読んでみてください。
少額から積立投資をしよう
また、少額から資産運用を始めることも大切です。
長期投資であれ、トレーディングであれ、その金額が大きくなると、大金を損するプレッシャーから正常な判断が難しくなるからです。資産運用に慣れていれば、金額が増えてきても、過去の経験があるので正しい判断ができるのですが、最初から大金を運用してしまうと、判断を誤って、大損してしまうことに繋がります。
初心者の方にオススメするのは少額投資の中でも、毎月一定の額ずつ長期投資をしていく「積立投資」です。毎月一定額を投資していけば、株価が安いときにたくさん買って、株価が高いときに少なく買うことができるのもポイントです。
毎月2万円からの投資でも、30年間続ければ2000万円以上の老後資産を築くことも可能です。
少額からの積立投資については、以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。