初心者が100万円から資産運用をする方法を知りたいという方へ。
「コツコツと貯金をしてきたから、資産運用に使えるお金が100万円貯まった。だけど、何から始めて良いか分からない。」と悩んでいませんか?
せっかく貯めてきたお金だから、大切に運用して、しっかりと増やしていきたいですよね。
この記事では、初心者向けの比較的ローリスクな資産運用方法を3種類紹介したうえで、それぞれの方法でどのくらいお金を増やせるのかをシミュレーションしています。
ぜひ、最後まで読んで、自分にあう資産運用の方法を見つけてください。
この記事の目次
資産運用の初心者が100万円から始める3つの方法
資産運用の初心者はリスクの低い資産運用を心がける
資産運用の初心者は、リスクの低い資産運用から始めるべきです。
その理由は、初心者ほど、価格の変動に落ち着きを失い、投資判断を間違いやすいからです。
たとえば、資産運用の世界では「リーマンショック並みの暴落が近いか」といったニュースが流れて、あらゆる資産が売られて価格が下がるといったことが毎年のように起こります。
しかし、実際には2008年以来、リーマンショック並みの暴落は到来していないわけです。こうした局面で、暴落の恐怖から資産を売ってしまうと、損をしたり、資産運用で継続的に資産を増やしていくチャンスを逃してしまいます。
リスクが低い資産運用を心がけることで、相場が多少荒れたとしても、落ち着いて資産運用を継続することが出来ますし、そうやって経験を積んでいけば、投資のリスクにも徐々に慣れていくことが出来ます。
初心者向けの資産運用は3つ
初心者向けのリスクが低い資産運用の方法は、ズバリ以下の3つです。
リスクの低い資産運用
- 定期預金
- 米国債(アメリカ政府が発行する債券)
- 投資信託(特にインデックスファンド)
ここでいう「リスクが低い」というのは、以下のようなことを表しています。
低リスクな理由1:ゼロになる可能性が低い
投資したお金がゼロになってしまうリスクがとても低いです。
たとえば、銀行の定期預金であれば「預金保険」といって、もしお金を預けている銀行の経営が破たんしても、一人あたり1000万円までは元本と利子が保護されています。
米国債は、企業ではなくアメリカ政府が発行している債券なので、アメリカ合衆国が無くならない限りは、お金が返済されます。
また、投資信託はたくさんの企業に投資をしているため、もしもそのうちの1社が潰れたとしても、投資しているお金全額が無くなることはありません。
低リスクな理由2:価格の変動がゆるやか
定期預金の場合は、そもそも株のように売り買いされるようなものではないので、価格が変動することすらありません。
米国債や投資信託は価格が変動しますが、個別企業の株式と比べると、価格の変動はゆるやかです。
低リスクな理由3:レバレッジが効いていない
レバレッジとは、借金によって投資効率を高める手法ですが、資産運用の初心者には向いていません。
一応、詳しく説明しますが、読み飛ばしていただいても構いません。
たとえば、レバレッジ取引の代表的な手法の1つである株の信用取引では、元本の3倍程度まで証券会社からお金を借りて、株を売買をすることができます。
100万円の元本に対して、200万円の借金をして、300万円で株を購入したとしましょう。
もしも株価が2倍になると・・・
株の価値は、300万円×2 = 600万円分となるので、これを売って、200万円を証券会社に返すと、残りは400万円になります。
株価は2倍になりましたが、自分の資産は元本の100万円が4倍になりました。
もしも株価が半分になると・・・
株の価値は、300万円×0.5 = 150万円となるので、これを売って、200万円を証券会社に返すと、マイナス50万円となってしまいます。
最初の100万円を全額失っただけでなく、さらに証券会社に対して50万円の借金が残ってしまいました。
このように、レバレッジ取引は、上手くいけば利益が大きいですが、借金を抱えてしまう可能性まであるため、非常にリスクが高いのです。
代表的なレバレッジ取引には、株の信用取引の他にも、FXや先物などがあります。いずれも上級者向けの資産運用ですので、初心者のうちは手を出さないようにしましょう。
続いて、初心者向けの3種類の資産運用(「定期預金」、「米国債」、「投資信託」)について説明していきます。
※初心者向け以外のものも含めて、資産運用の種類をすべて知りたいという方は、以下の記事を読んでください。
リスクが低いのは「定期預金」
定期預金とは
最もリスクが低いのは「定期預金」です。
定期預金とは、銀行に対してお金を預けることですが、普通預金との違いとして「一定の期間は引き出せない」という制約がつく代わりに金利が高くなります。
銀行にとっても「一定期間は預けっぱなしにしてくれる」(予測不可能な引き出しに備えてお金を準備しておかなくても良い)というメリットがあるので、その分、金利が高くなるわけです。
銀行と預金者の双方にメリットのある仕組みなので、多くの銀行が定期預金を提供しています。
定期預金の利回りとシミュレーション
さて、気になる定期預金の金利ですが、 高いところで、1年満期(1年間は引き出せない)の定期預金で0.2%程度となります。
例:オリックス銀行の定期預金
- 1年満期:0.20%
- 3年満期:0.30%
- 5年満期:0.35%
(2019年8月現在)
金利0.2%というと、100万円を1年間預けても2000円しか増えないので、資産運用というには物足りないですが、しばらく使わないお金を普通預金に預けておくくらいなら、定期預金に預けることを検討したいところです。
なお、元本100万円を金利0.35%で運用した場合、30年で11万円ほど増やすことができます。
定期預金は、絶対に損したくない人におすすめ
定期預金は「1円たりとも絶対に損をしたくない」という方におすすめです。
なぜなら、これから紹介する残り2つ「米国債」と「投資信託」への投資は、比較的リスクが低いとはいえ、損をするリスクがあるからです。
お金を増やすことよりも、お金を減らさないことを重視したい方は、ぜひ定期預金を検討してみてください。
アメリカ政府が発行する「米国債」はバランスがよい
米国債とは
続いて、比較的リスクが低い手段としておすすめなのが「米国債」です。
米国債とは、アメリカ政府が発行している債券なので、言ってみればアメリカ政府にお金を貸して、金利をもらうということになります。
アメリカが無くならない限りは、貸したお金が返ってくるという安心感が米国債のメリットです。
一方で、日本人が米国債に投資をする場合には、円をドルにしなければならないため、為替リスクが発生する点には注意が必要です。
たとえば、100万円を1ドル100円のときにドルに交換したとすると、1万ドルになります。このドルで米国債を買うわけですが、米国債を保有している間に、1ドルあたり90円まで円高が進んでしまったとしましょう。そうすると、1万ドル=90万円となるので、為替の変化の分だけ損をしてしまったことになります。
とはいえ、逆に1万ドル=110万円まで円安が進む場合もありうるのと、ドルは世界でも主要な通貨であることを考えると、そこまでリスクは高くないでしょう。
個人的には、将来円安が急速に進むリスクの方が高いので、円をドルに交換して米国株に投資しておく方が安心感が高いと思います。
米国債の利回りとシミュレーション
米国債の金利は、2019年8月13日現在、以下のようになっています。
米国債の金利
1年満期の米国債:1.770%
3年満期の米国債:1.524%
5年満期の米国債:1.501%
10年満期の米国債:1.642%
通常は、満期が長くなればなるほど金利が高くなるものですが、現在は少し特殊な状況で、1年満期の金利が一番高くなっています。
また、現在はいずれの満期も金利2%を切っていますが、平時は2%~3%程度は金利が期待できます。そこで、今回は金利を2.5%と置いてシミュレーションを行います。
30年間で元本の100万円は約2倍の200万円まで増えています。このくらい増えてくれると、資産運用の効果を実感しやすいですね。
米国債は安心感とリターンのバランスを求める人におすすめ
米国債は、安心感とリターンのバランスを求める人におすすめです。
30年間で少なくとも元本が倍になりますし、為替リスクはあるものの、ドルベースで考えると、お金を貸している相手はアメリカ政府なので、投資した元本は基本的に安全です。
30年で倍になってくれれば充分だという方は、米国債での資産運用を検討してみてください。
なお、米国債などの債券はオンライン証券で買うことができます。筆者はマネックス証券を使っていますが、好きなオンライン証券に口座を開いて、米国債を買ってみましょう。
長期でしっかりと資産を増やすなら「投資信託」がおすすめ
投資信託とは
長期でしっかりと資産を増やすなら、投資信託(インデックスファンド)がおすすめです。
投資信託とは、多くの投資家からお金を集めて、投資家の代わりに運用してくれる商品です。
たとえば、100万円で何百社という企業に投資することはできませんが、投資信託であれば、多くの投資家からお金を集めているので、何百社に投資することができます。つまり、少額からでも分散投資の効果が期待できるのです。
投資信託の説明や、少額投資における投資信託のメリットは、以下の記事で説明しているので、時間があれば、ぜひ読んでみてください。
投資信託の利回りとシミュレーション
投資信託にも株に投資をしてくれるもの、債券に投資をしてくれるものなど、様々な投資信託がありますが、初心者におすすめなのは、アメリカの主要企業500社に投資をしてくれるもの(S&P500指数に連動するインデックスファンド)です。
S&P500指数やインデックスファンドという言葉が分からない方は、以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
さて、S&P500に連動する投資信託(インデックスファンド)には、たとえば「eMAXIS Slim 米国株式」などがありますが、こうした投資信託で資産運用をした場合、過去の長期にわたる実績の平均では、年率7%程度で資産を増やせることが知られています。
年率7%で資産を増やせた場合、元本100万円は以下のように増えていきます。
30年でなんと700万円程度にまで増加するのです。
定期預金や米国債と違い、企業の株式への投資は、このように長期的にみると非常に高いリターンに繋がります。
しかし、実際には上のグラフのように毎年右肩上がりに増えるわけではなく、世界の景気の状況などに応じて、ジグザグしながら上がっていくため、その過程においては、一時的に損をしている期間などもあることに注意が必要です。
老後に向けた資産運用なら投資信託がおすすめ
投資信託(特にS&P500に連動するインデックスファンド)は、500社に分散しているとはいえ、企業の株式に投資をしているため、価格が上がったり下がったりします。ですから、短期でみると、お金が減ることもあります。
そのため、もしも資産運用が短期的なもの、たとえば数年後には家を買うために必要なお金なので、それまでの数年間だけ運用したいといった用途であれば、あまり適しているとは言えません。そのようなお金は、定期預金や米国債で運用すべきです。
一方で、老後に向けた資産運用といったように、短期的な損得はあまり重要でないものについては、ぜひとも投資信託で運用すべきです。長期でみると、定期預金や米国株とは、大きな差がつくからです。
また、投資信託で運用する場合は、資産運用の利益が非課税になるNISA制度を活用しましょう。
NISA制度を活用しよう
資産運用では節税も大切
投資信託で資産運用をする場合には、個人投資家向けの非課税制度であるNISAを必ず活用するようにしましょう。
なぜなら、資産運用の利益に対する税金はバカにならない額だからです。
たとえば、2019年現在、資産運用(投資)の利益に対しては、約20%の税金が課税されます。
100万円を投資したとして、毎年7%ずつ資産が増えた場合、5年後には約130万円に増えます。つまり資産運用の利益が30万円出るということですが、この30万円に20%の税金が掛かってしまうと、6万円も税金を取られてしまうことになるのです。
100万円なら全額NISAで免税対象に
NISAは、年間120万円までのNISA枠で投資を行ったものについては、最大5年間非課税にするという制度です。
ですから、NISA制度を利用して100万円を投資していた場合、その投資を通じて5年でどれだけ儲かったとしても、その利益に対しては、一切課税されません。
100万円で資産運用を始める場合には、年間120万円のNISA枠の中に全額が収まります。つまり、NISAを活用して投資をしていれば、利益が出ても非課税になるということです。必ずNISAを利用するようにしましょう。
NISA枠で投資をする方法
NISA枠で投資をする場合、まずはオンライン証券に口座を開いたうえで、さらにNISA口座をというものを申し込みます。
たとえば、マネックス証券に口座を開いた場合、さらにマネックス証券内にNISA口座ができるというイメージです。このNISA口座では、年間120万円まで投資をすることが可能で、このNISA口座で出た利益については、課税されない仕組みになっています。
そのため、まずは好きなオンライン証券で口座を開設するところから始めてみてください。
今回は、筆者が利用しているマネックス証券の画面を例にして、NISAの申し込み手順を紹介します。
1.NISAメニューを開く
画面上部のメニュー2段目の右の方に「NISA」があります。
2.一般NISAのボタンをクリック
NISAトップページの右側に「一般NISAの申込み」ボタンがあるので、こちらをクリックします。
3.NISAを申し込む
NISAの申し込み画面に進むため、「NISA口座の開設」をクリックしてください。このまま手続きを進めると、NISA口座開設に必要な書類が送られてくるので、書類を埋めたうえで、必要な本人確認書類等を添付して送り返せば、NISA口座が開設できます。
まとめ
まとめます。
資産運用の初心者には、リスクの低い方法がおすすめです。
それには、「定期預金」、「米国債」、「投資信託(特にS&P500連動のインデックスファンド)」の3種類があります。
「絶対に損をしたくな場合」あるいは「数年以内に使う予定があり、一時的にでも減ると困る場合」は定期預金がおすすめです。
また、全体的にリスクとリターンのバランスが良いのは米国債です。
そして、長期で資産運用をする場合はアップサイドの大きい投資信託(S&P500連動のインデックスファンド)がおすすめです。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。