フリーキャッシュフローモデルによる株価の算出方法

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キャプテン資本主義
どうも、キャプテンです!

どうも、キャプテンです。

今回は、バリュー投資家のために、株価のバリュエーション方法を説明したいと思います。

さて、株価のバリュエーションを行う方法はいくつかありますが、今回はフリーキャッシュフローモデルによる株価の算出方法を説明します。

フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフローは株主リターンの源泉

フリーキャッシュフローとは、営業キャッシュフローから投資キャッシュフロー分を差し引くことで求められる数値です。

まず、営業キャッシュフローというのは、企業が1年間の営業活動を行なった結果、売上から必要経費などを差し引くことで、得られたキャッシュの量を示しています。営業キャッシュフローがプラスであることは、その企業が営業活動を通じてキャッシュを生み出すことが出来ている(=儲かっている)ということです。

しかし、持続的に営業活動を続けるためには、現状を維持するための投資が必要になります。たとえば製造業であれば、工場を整備し続けなければいけません。また、さらに生産を増やすために追加投資が必要かもしれません。こうした用途で出ていくお金が投資キャッシュフローです。

つまり、企業が活動していくためには、営業キャッシュフローを稼いで、その中から投資キャッシュフローを捻出していく必要があります。

そして、必要な投資を行なったあとに残ったお金がフリーキャッシュフローです。企業はこのお金をもとに配当を出したり、自社株買いをしたりと、投資家に対してリターンを還元します。ですから、フリーキャッシュフローこそが投資家のリターンの源泉であると言うことができます。

キャッシュフローは誤魔化しにくい

企業のバリュエーションを行う際に、利益ベースではなくて、キャッシュフローベースで見ることが良しとされる理由は、キャッシュフローは会計手法によって誤魔化すことが難しい数値だからです。

利益というのは、ある程度、誤魔化すことが可能です。

最近では、M&Aの際に買収額と買収先企業の純資産の差額である「負ののれん」によって利益を計上していたRIZAPの手法が注目されました。これは例えば1億円の純資産がある企業を5,000万円で買うことができたら、差額の5,000万円は儲かっていることになるので、利益に計上してしまおうというものです。しかし、5,000万円で企業を買っただけですから、実際に5,000万円の儲けがキャッシュで手に入っているわけではありません。

それから、減価償却によって利益が少なく見えているパターンも存在します。たとえば、10億円の設備投資をした企業が、その投資額を10年間に分けて減価償却した場合、毎年1億円の費用が計上されます。しかし、実際の現金の動きで見れば、10億円を1年目に払ったあとは、毎年1億円が実際に出て行っているわけではありません。

このように、利益というのは、実際にはお金が入ってきてないのに増えたり、実際にはお金が出て行ってないのに減ったりすることがあるのです。

そのため、投資の世界では、その企業が本当にお金を稼げているかという点では、キャッシュフローを見ることが推奨されています。

フリーキャッシュフローモデルの計算式

さて、フリーキャッシュフローについて説明をしたところで、フリーキャッシュフローをもとに株価を算出する際の計算式を紹介します。

基本的には、将来のフリーキャッシュフローを割り引いていけばいいので、

株価 = 1年目の1株あたりフリーキャッシュフロー / (1 + 割引率)+ 2年目の1株あたりフリーキャッシュフロー / (1 + 割引率)^2 + 3年目の1株あたりキャッシュフロー / (1 + 割引率)^2 + …

と続いていきます。

これを簡単に整理すると、

株価 = 1年目の1株あたりフリーキャッシュフロー / (割引率 – フリーキャッシュフローの成長率)

となります。

一例ですが、1株あたりフリーキャッシュフローが100ドルで年間5%ずつ成長する会社を、割引率10%で割り引くと、

株価 = 100ドル / (10% – 5%)= 2,000ドルとなります。

フリーキャッシュフローの調べ方

実際に計算する際に、フリーキャッシュフローはどこで見つければ良いのでしょうか。

一番分かりやすいのは、決算短信の中のキャッシュ・フロー計算書を見ることです。

以下はソニーの2018年3月期の決算短信に記されたキャッシュ・フロー計算書です。

右側が2018年3月期ですが、営業キャッシュフローが1,254,972百万円、投資キャッシュフローが822,197百万円であることが分かります。つまり、フリーキャッシュフローは、1,254,972百万円 – 822,197百万円 = 432,775百万円となります。約4,300億円ですね。

ソニーの発行済株式数は1,266,552,149株のため、1株あたりのフリーキャッシュフローは3,416円となります。

割引率にはWACC(加重平均調達コスト)を用いるのが一般的

続いて、割引率ですが、一般的にはWACCを割引率として計算することが多いです。

WACC = {株主資本コスト × 株主資本の額 / 総資産の額 ] + {支払金利 × (1 - 実行税率) × 有利子負債の額 / 総資産の額]で表されます。

もしくは、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは割引率として10年国債の金利を用いています。

割引率として何を用いるかというのは、最終的には、その人自身が決めるべきです。

オーナー利益を用いるケース

ウォーレン・バフェットは、株価バリュエーションの算出時に、フリーキャッシュフローではなくて、オーナー利益を用いることが知られています。

オーナー利益は、以下の計算式で表されます。

オーナー利益 = 当期純利益 + 減価償却費 - 設備投資額 - 運転資金

フリーキャッシュフローの安定した企業は優良企業

さて、ここまでフリーキャッシュフローモデルで株価を算出する方法を見てきましたが、実際にフリーキャッシュフローモデルで計算しようとすると、毎年のフリーキャッシュフローが安定しているとは限らないことに気付くと思います。

先ほどのソニーの決算短信でも、2018年はフリーキャッシュフローが約4,300億円のプラスでしたが、前年の2017年はフリーキャッシュフローがマイナスとなっています。

フリーキャッシュフローが安定していないと、フリーキャッシュフローモデルで企業価値を予測するのは、とても難しくなります。

そうした観点からも、フリーキャッシュフローが安定している会社の方がバリュエーションを失敗しにくく、正しい価格で買うことができるため、大きな損をする可能性が低いと言えるでしょう。

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