資産運用にどんな種類があるのか知りたい方へ。
- 「資産運用に興味があるけれど、どんな種類があるのか分からない」
- 「どの方法で資産運用をすればよいか分からない」
そんな風に悩んでいませんか?
今回は、そんなお悩みを解決していきたいと思います。
全26種類の資産運用を網羅的に解説した上で、比較やおすすめを紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事の目次
主な資産運用の種類は?

ひとことで資産運用といっても、たくさんの種類があります。まずは、資産運用にはどんな種類があるのかを説明します。

資産運用には、ざっくりと以下の26種類があります。
主な資産運用の一覧
- 預金(定期預金・外貨預金)
- 債券(日本国債・米国債・社債・ハイイールド債)
- 株式(日本株・米国株・中国株・その他の外国株)
- 保険(円建て・外貨建て)
- 不動産(不動産・REIT)
- コモディティ(金・仮想通貨)
- デリバティブ(先物・FX)
- クラウドファンディング(融資型・株式型・不動産型)
- お任せ運用(投資信託・ETF・ロボアドバイザー)
- 番外編(NISA・iDeCo)
主な資産運用26種類の特徴と解説

それでは、それぞれの資産運用について具体的に説明していきます。
預金(2種類)


まずは、預金です。
預金とは文字通り、銀行にお金を預けることを指します。銀行にお金を預けると、利子(金利)がつくので、その利子の分だけお金が増えます。
預金には、ざっくりと2種類あります。定期預金と外貨預金です。それぞれの特徴を説明します。
(1)定期預金
定期預金とは
- どこで運用できる?:銀行
- 期待リターンは?:年率0.001% 〜 0.28%
- リスクは?:銀行が倒産するリスク
定期預金は、銀行で行うことができる資産運用です。
一定期間はお金を引き出せない代わりに、一般的な普通預金よりも金利が高く設定されています。
定期預金の預入期間は、銀行にもよりますが、最短で1ヶ月から、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年などのプランが用意されていることが多いです。基本的には、預入期間が長くなるほど、金利が高くなります。
お金はあまり増えませんが、まずは、銀行でしばらく使わないお金を気軽に運用してみたいという方に向いています。
なお、一般的なメガバンクよりもネット銀行の方がはるかに金利が高いので、定期預金で資産運用をしたい方は、ネット銀行に口座を開設することをおすすめします。
(2)外貨預金
外貨預金とは
- どこで運用できる?:銀行
- 期待リターンは?:年率0.01% 〜 0.25%(※ドルの場合)
- リスクは?:銀行が倒産するリスク、為替の値動きリスク
外貨預金も、銀行で行うことができる資産運用です。
外貨預金とは、その名の通り、外貨つまり外国のお金で預金をすることを指します。日本円はほとんど金利がないため、外国のお金に変えて預けることで、一般的には金利が高くなります。
一方で、外国のお金に変えるということは、円安・円高など為替の動きに応じて、損をしたり得をしたりする可能性があります。これを為替リスクといいます。トルコや南アフリカの通貨での外貨預金は金利も高いですが、その分だけ通貨が不安定で為替リスクも高いです。
金利が高いからといって、為替の値動きで損をしていては意味がないので、なるべく安定した通貨で預金したいところ。そうすると、アメリカ合衆国のドル(米ドル)以外の通貨はあまりおすすめできません。
債券(4種類)


続いて、債券です。
債券とは、「お金を貸したよ」という権利、言い換えると、お金を返してもらう権利(債権)を売買可能にしたものです。
それぞれの債券には満期(返済期限)があり、満期を迎えると、その元本が返済されます。たとえば1万円分の債券を保有した状態で満期を迎えると、その債券の発行体から1万円が返済されます。
それに加えて、満期を迎えるまでの間は、毎年、一定の金利が支払われます。毎年数%の金利を受け取りつつ、満期が来たら、元本が返済されるわけです。
元本が戻ってくるので、損をする可能性は低いですが、万が一、債券の発行体が倒産してお金を返せなくなると、債券は無価値になってしまいます。信頼できる発行体が出した債券を買うようにしましょう。
(3)日本国債
日本国債とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約0.05%(満期10年の場合)
- リスクは?:なし
日本国債というのは、日本政府が発行する債券のことです。つまり、日本国債を買うというのは、日本政府にお金を貸しているのと同じことになります。
万が一、日本政府が破綻してしまうと元本が返ってこないことになりますが、日本政府は日本銀行を所有しており、いざとなれば、いくらでもお金を刷って返済できることから、基本的にリスクはないと考えてよいでしょう。
日本国債には、満期が3年や5年など、短めのものもありますが、現在は日銀が異次元の金融緩和を継続しているため、ほぼ金利がありません。まともに金利がつくのは、満期が10年の国債からです。
「この先、10年間は使う予定がないお金で、安全に運用したい」という場合には、定期預金よりも金利が高いので、日本国債で運用すると良いでしょう。ちなみに、いざとなったら国債を売ればよいので、必ずしも10年間は現金化できないわけではありませんので、基本的には定期預金よりも日本国債のほうが良かったりします。
というか、銀行は定期預金として預けられたお金で日本国債を買って、そのうち金利の一部を中抜きして、定期預金の利用者に金利を払っているわけです。なので、自分で日本国債を直接買うと、この中抜き分までもらえるというイメージになります。
(4)米国債
米国債とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:1%〜3%(満期10年の場合)
- リスクは?:為替の値動きリスク
米国債とは、アメリカ政府が発行している債券です。つまり、アメリカ政府にお金を貸しているのと同じことになります。
日本国債と同じく、万が一、アメリカ政府が破綻すればお金は返ってこなくなりますが、アメリカ政府も、いざとなればアメリカの中央銀行がお金を刷ればよいので、基本的には破綻リスクがないと考えてよいでしょう。
一方で、米国債を買う場合には、円をドルに変えて投資するので、ドル円の値動き次第では損をすることになります。
米国債の魅力は、日本国債よりも期待リターンが高いということです。日本は人口も減少しており、基本的には経済規模が小さくなっていくと考えられているため、金利が低い国です。その点、アメリカは人口も経済規模も成長を続けているので、数%の金利が期待できます。
米国債は、ある程度安定的に資産運用をしたいという人にとって、優れた選択肢だと言えます。
(5)社債
社債とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:0.5%〜2%
- リスクは?:企業の倒産リスク
社債とは、会社が発行する債券を指します。例えば、みずほ銀行やソフトバンクグループなどの会社が社債を発行しています。
社債は、発行体が日本政府やアメリカ政府ではないので、いざというときには倒産して、元本が戻ってこなくなる可能性があります。そのため、社債を買うときには、その会社は倒産しそうでないか考えてから買うようにしましょう。
日本国債と比べると、リスクも高い分、リターンも高くなっているのが一般的です。
「倒産リスクよりも、為替の値動きリスクの方が怖い」という方は、米国債ではなく日本企業の社債を買うのもおすすめです。
(6)ハイイールド債
社債とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約5%〜10%
- リスクは?:企業の倒産リスク
ハイイールド債とは、「金利が高い債券」という意味です。
なぜ金利が高いのかというと、その分だけリスクが高いからです。つまり、倒産する可能性が高い代わりに金利も高い、ハイリスク・ハイリターンな債券のことです。
債券は、一般的には比較的リスクの低い安定した資産運用ですが、ハイイールド債に関しては、リターン重視のハイリスクな資産運用です。そのため、初心者の方にはおすすめしません。
資産運用に慣れてきて、もう少しハイリスク・ハイリターンな資産運用に挑戦したいなという方におすすめです。
株式(4種類)


続いて、株です。
株とは、簡単にいうと「企業・会社に対する持ち分」のことです。
株を1株でも持っていれば、あなたはその企業のオーナー(=株主)の一人になります。KDDIの株を持っていれば、あなたはKDDIのオーナーの一人ですし、任天堂の株を持っていれば、あなたは任天堂のオーナーの一人です。
また、当たり前ですが、ある企業が発行している株を全て保有していれば、あなたはその企業の100%オーナーになります。
さて、株を持ってオーナーの一人になると、以下のような特典が得られます。
株主の権利
- 企業の利益から配当金がもらえる
- 会社の経営に関与できる(株主総会で、議案に対して賛成・反対の投票ができる)
基本的には、前者の配当金(企業が利益の一部を株主に現金で配ること)を目当てに、株を買って保有することになります。
また、企業の業績がよくなって、どんどん利益や配当金の額が増えていくと、当然、企業の価値も上がります。そうすると、企業の持ち分である株の価格(株価)も上がっていきます。株は常に売買されて値段が動いているので、買ったときよりも、高く売ることができれば、その差額を稼ぐことができます。
つまり、株は配当金と、買ったときと売ったときの差額という、二つの方法で稼ぐことができる可能性があります。
リスクもあります。たとえば、買ったときよりも売ったときの値段が下がってしまうと、その分は損をします。また、最悪、企業が倒産することもあります。その場合は、企業の持ち分である株の価値もゼロになってしまいます。
(7)日本株
日本株とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約5〜6%
- リスクは?:株価の値動きリスク、企業の倒産リスク
日本株とは、日本の取引所(東京証券取引所など)に上場している企業の株のことです。簡単にいうと、日本企業の株ということです。
日本株の平均的な期待リターンは、だいたい5%〜6%程度です。これは配当金と株価の値上がりによる利益をあわせた数値です。とはいえ、これはあくまでも平均の数値であり、中には倒産する企業もありますし、1年間で株価が2倍以上になるような企業もあります。
(8)米国株
米国株とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約7〜9%
- リスクは?:株価の値動きリスク、企業の倒産リスク、為替の値動きリスク
米国株は、アメリカの取引所に上場している企業の株を指します。当然、アメリカ企業の株が多いです。
アメリカ企業というと、縁遠い気がするかもしれませんが、アマゾンやフェイスブック、アップル、グーグル、マイクロソフト、ツイッターといったテック企業から、コカ・コーラやマクドナルド、P&G、ケロッグといった日常生活に深く関わる企業、ディズニーやネットフリックスなどのエンタメ企業まで、身近な企業がたくさんあります。
米国株の魅力は、なんといっても世界を舞台に活躍するアメリカ企業のオーナーになれることです。米国株の平均的な期待リターンは日本株よりも高く、年率7〜9%程度のリターンが期待できます。
米国株に投資する際には、日本円をドルに替えてから、投資することになります。そのため、為替の値動きリスクも加わってきます。様々なリスクがありますが、米国株のリターンは魅力的で、本格的に資産運用を行うのであれば、ぜひ投資したいのが米国株です。
(9)中国株
中国株とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約9%
- リスクは?:株価の値動きリスク、企業の倒産リスク、為替の値動きリスク
中国株とは、中国の取引所に上場している企業の株のことです。基本的には、中国企業の株です。
中国株も約9%と比較的高いリターンが期待できるのが特徴ですが、米国株と違って、中国企業はあまり日本国内に進出していないため、身近な企業が少ないので、どの企業に投資してよいか分かりにくいというデメリットがあります。
中国が、今後もどんどん経済発展をすると考えている場合には投資をしても良いと思いますが、情報が取りづらいため、無理に投資する必要はないと思います。また、米国企業の中には、コカ・コーラやP&Gをはじめとして、中国でも利益をあげている企業がたくさんあります。米国株に投資をしていれば、中国の経済成長の恩恵も一定受けられるでしょう。
「日本やアメリカよりも、中国に詳しいよ」という方は、中国株にも投資してみると良いかもしれません。
(10)その他の外国株
その他の外国株とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:ー
- リスクは?:株価の値動きリスク、企業の倒産リスク、為替の値動きリスク
日本株、米国株、中国株と紹介してきましたが、もちろんドイツやフランス、イギリス、インド、シンガポールなどなど、あらゆる国に取引所があり、その国の企業の株を買うことができます。
日本株・米国株・中国株を抑えておけば、基本的に他の国の企業に投資する必要はそんなに無いと思いますが、もしも自分がある国に詳しくて、どうしてもその国の企業に投資したいという場合は、他の外国株も検討してみると良いでしょう。
期待リターンは、国によっても全然違うため、ブランクにしてあります。
保険(2種類)


続いて、保険です。
一般的に保険というのは、万が一に備えて掛け金を払っておき、いざというときにお金がもらえるものです。たとえば、普段から掛け金を払っておけば、病気になったときにお金がもらえるといったものです。その代わりに、病気にならなければ、何も貰うことはできず、払った掛け金は無駄になります。
しかし、保険には、他にも「貯蓄型保険」というものがあります。これは、保険でありながら、満期を迎えると払った掛け金が戻ってくるというものです。その際に、払った掛け金の合計額よりも、少し増えてお金が戻ってくるのが一般的です。
貯蓄型保険は、保険という側面に加えて、資産運用の一種でもあるといえます。
貯蓄型保険では、一般的に「返戻率」という概念で説明されることが多いです。たとえば、掛け金の合計が100万円で、返戻率が110%であれば、満期まで保険金を払い続けると110万円が戻ってきます。どうして、掛け金が増えるのかというと、掛け金を払っている間、保険会社がその資産を運用するからです。そのため、途中で解約すると、返戻率は100%以下、つまり資産が減ってしまいます。
保険会社は、基本的に日本国債や米国債で運用して、その利益の一部を間で抜いているだけなので、貯蓄型保険で資産運用をするのであれば、自分で日本国債や米国債を買う方が、資産運用としては効率がよくなります。
(11)円建ての貯蓄型保険
円建ての貯蓄型保険とは
- どこで運用できる?:保険会社
- 期待リターンは?:ー
- リスクは?:企業の倒産リスク
まず、円建ての貯蓄型保険ですが、現在は販売が次々と休止されている状況です。
日本国債の金利が0.05%程度と非常に低くなっているので、保険会社の職員の人件費などを考えると、返戻率を100%以上にするのが難しいのだと思われます。
先ほども書いたように、自分で日本国債を買った方が早いので、特に円建ての貯蓄型保険を利用する必要はないでしょう。
(12)外貨建ての貯蓄型保険
外貨建ての貯蓄型保険とは
- どこで運用できる?:保険会社
- 期待リターンは?:約1%(15年満期)
- リスクは?:企業の倒産リスク、為替の値動きリスク
外貨建て保険というのは、例えば、ドルなどの外貨で保険金を払い、満期を迎えるとドル建てで返戻金が戻ってくるというものです。
15年満期で米ドルの貯蓄型保険であれば、だいたい約1%程度の年間リターンが期待できます。が、自分で米国債を直接買えば良いので、資産運用としては、あまりおすすめしません。
不動産(2種類)


続いて、不動産です。
不動産というのは、戸建てやマンションの部屋、アパート等を購入して、それを賃貸に出すことで、家賃収入を得るという資産運用の方法です。
家賃は、比較的上下しにくく安定しやすいというメリットがある一方で、そもそも家を借りてもらわなければ収益が発生しない等のデメリットもあります。
(13)不動産投資
不動産投資とは
- どこで運用できる?:不動産会社
- 期待リターンは?:約3% 〜
- リスクは?:借り手がつかないリスク、災害などのリスク
不動産投資とは、自分で不動産を購入して、それを賃貸に出すことで家賃収入を得る方法です。
自分で不動産を買おうと思うと、結構な初期費用が必要になるため、大抵は銀行からお金を借り入れることが多いです。そのため、借り手がつかなくても、継続的にローンの返済に追われることになります。
しばらく借り手がつかなくてもローンの返済に困らないか、毎月の家賃がローンの返済額をしっかり上回っているか等、不動産投資を資産運用として成功させるためには、しっかりと事前に勉強・計算しておく必要があります。
不動産投資は、銀行からお金を借り入れるため、実質的には、人のお金を使って資産運用ができることになります。そのため、上手に行えば、投資効率は非常に良くなります。他にも、物件を安く手に入れてリフォームすることで、家賃をあげるなど、工夫次第でリターンを増やすことができます。
不動産投資は、単純な資産運用というよりも、事業を行うようなイメージでいると良いでしょう。
(14)REIT
REITとは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約4%
- リスクは?:企業の倒産リスク
REITとは、不動産投資を行っているファンドに投資をすることができるというものです。
言い換えると、私たちがREITに投資をしたお金は、不動産の購入などに使われ、その家賃収益がまた私たちに配当金として分配されるということです。
自分で、不動産を選んだり、購入したり、家主をしたりしなくてよいので、不動産で資産運用をしたいけれど、自分で不動産投資に伴うタスクをいろいろやるのは難しい・忙しいといった方におすすめです。
REITは、基本的に株よりも少し期待リターンが低くなることが多いです。しかし、配当金収益が比較的安定しやすいので、お小遣いのように安定してリターンがほしい方にはおすすめです。
コモディティ(2種類)


続いて、コモディティです。
コモディティとは「物」のことです。「現物資産」とも言われます。
債券や株、不動産であれば、金利や配当金、家賃収入など、お金が増える仕組みがありました。一方、コモディティは純粋にその「物」の値段が上がることに期待して購入するという資産運用です。
金・銀・銅・プラチナ・原油・小麦・アート・限定スニーカー・仮想通貨など、様々なものがありますが、ここでは代表的な2種類のコモディティである金と仮想通貨を紹介します。
(15)金
金とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約2〜3%
- リスクは?:値動きリスク
金とは、文字通り、金(ゴールド)のことです。
といっても、本物の金を買って、自宅に置いておくと大変ですよね。なので、金は基本的に証券会社で買います。そうすると、ロンドンの金庫などに保管しておいてくれて、いつでも売ることができます。自宅に金を保管したり、郵送したりしなくてよいので、気楽に投資することができます。
先ほども書いたように、金自体は持っていても、新たなお金を生み出すことはありません。しかし、世界経済はだいたい年間2%程度のインフレをしているので、金の値段もざっくりとそのくらいは上がっていくと思って良いでしょう。
また、金には「経済危機などで株の価格が下がるときに、金の価格は上がりやすい」という特徴があります。また、ハイパーインフレ(ものすごい勢いでインフレが進んでしまうこと)が起こった場合には、経済が大混乱するため、株や債券のリターンなどは悪くなりがちですが、金はあくまでも「物」の値段であるため、ハイパーインフレにあわせて上がっていきます。
そのため、株式投資をメインに資産運用している人が、あわせて金も一部購入するという形で資産運用に組み込まれることが多いです。
(16)仮想通貨(ビットコイン)
仮想通貨(ビットコイン)とは
- どこで運用できる?:仮想通貨取引所
- 期待リターンは?:ー
- リスクは?:値動きリスク、仮想通貨の盗難リスク
仮想通貨には様々な種類がありますが、その中でも有名なのがビットコインです。
仮想通貨には、半ば詐欺のようなコインも多いので、仮想通貨で資産運用をする場合は、よほど詳しい方でなければ、基本的にはビットコインで運用することになるでしょう。
ビットコインは、ブロックチェーン上に存在するデジタルな通貨ですが、あらかじめ発行上限枚数がプログラムで決まっているため、埋蔵量に限りのある金(ゴールド)と同じように希少性があります。そのため「デジタルゴールド」とも呼ばれており、注目度の高い資産運用手段です。
ビットコインは、株と比べても、かなり値動きが激しいため、まずは株などで値動きのリスクに慣れてから始めるか、半分以下になっても気にならないような少額で始めてみると良いでしょう。
デリバティブ(2種類)


続いて、デリバティブです。
デリバティブとは、株などの基本的な資産運用ではなく、さらに高度な「金融派生商品」と呼ばれる、新しい資産運用手段です。
基本的には、レバレッジが効いたハイリスク・ハイリターンなものが多いです。レバレッジというのは、たとえば株価が1倍動いたときに、その何倍もの損益が発生するような仕組みです。
上手に取引できれば、小さいお金で大きく儲けることもできますが、取引に失敗すると投資したお金以上に借金を抱えてしまうこともあるので、資産運用の初心者にはおすすめしません。
(17)先物
仮想通貨(ビットコイン)とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:ー
- リスクは?:値動きリスク
先物は、将来時点での売買取引するというものです。
例えば、来月末時点での株を取引するといったようなものです。そうすると買う側も売る側も、来月末時点での株価を予想して売買をすることになります。
さらに、自分の資金の26倍程度の売買をすることができます。その場合、非常にハイリスクになります。(その分、ハイリターンでもあります)
(18)FX
FXとは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:ー
- リスクは?:為替の値動きリスク
FXとは、為替取引に最大25倍のレバレッジをかけて行うというものです。
為替取引とは、外国のお金と日本円の取引を指します。たとえば、米ドル、南アランド、英ポンド、欧ユーロ、トルコリラなど、様々な国の通貨を売ったり・買ったりします。
レバレッジをかけると、最大で為替の値動きの25倍の損益が発生する可能性があるということで、非常にハイリスクです。(その分、ハイリターンでもあります)
クラウドファンディング(3種類)


続いて、クラウドファンディングです。
クラウドファンディングとは、特定の目的のために、多くの投資家からお金を集めて運用する仕組みです。
集めたお金を、融資する(貸す)のか、出資する(株式を買う)のか、不動産投資をするのかによって、ざっくりと3種類に分類できます。
(19)融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
融資型クラウドファンディングとは
- どこで運用できる?:クラウドファンディング会社
- 期待リターンは?:約2%〜10%
- リスクは?:企業の倒産リスク
融資型クラウドファンディングは、みんなでお金を出し合って、お金を貸して、金利を受け取り、満期を迎えると元本が返済されるというものです。
基本的には、債券のようなイメージですが、債券ではないので、満期を迎えるまでの途中で売却することはできません。
お金を貸す先は、日本政府や大手企業などではないので、やや倒産リスクは高くなりますが、そんなに頻繁に発生するものではありません。
(20)株式型クラウドファンディング
株式型クラウドファンディングとは
- どこで運用できる?:クラウドファンディング会社
- 期待リターンは?:ー
- リスクは?:企業の倒産リスク
株式型クラウドファンディングとは、みんなでお金を出し合って、まだ東京証券取引所などに上場する前の企業の株を購入できるサービスです。
株式型クラウドファンディングというサービス自体が出来たばかりで、実績の数も少ないため、どのくらいのリターンが期待できるのか未知数な部分が多いです。
一般的に、資金調達に困っていない企業は、ベンチャーキャピタルなどから資金を調達します。そのため、株式型クラウドファンディングを利用してお金を集めている企業は、ベンチャーキャピタルから資金を調達できないような、経営状況などが芳しくない状況であることが想像されます。
他の資産運用手段に飽きてきた方は、試してみても良いかもしれません。
(21)不動産型クラウドファンディング
不動産型クラウドファンディングとは
- どこで運用できる?:クラウドファンディング会社
- 期待リターンは?:約3%〜5%
- リスクは?:企業の倒産リスク
不動産型クラウドファンディングとは、みんなでお金を出し合って、不動産に投資をするというサービスです。
そもそもある程度の規模で不動産投資をしているファンドであれば、REITとして取引できるはずなので、気軽に不動産投資をしたい方は、基本的にはREITへの投資をおすすめします。
ただ、REITよりもさらに小規模な不動産投資に興味があるという方は、不動産型クラウドファンディングを検討しても良いかもしれません。
お任せ運用(3種類)


続いて、お任せ運用を3種類紹介します。
かなり後ろになってしまいましたが、3種類とも、資産運用の初心者の方に強くおすすめできます。
初心者の方は、ぜひじっくり読んでみてください。
(22)投資信託
投資信託とは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約4%〜7%
- リスクは?:企業の倒産リスク
投資信託とは、資産運用代行のようなものです。
投資信託の運用会社は、資産運用をお願いしたい人たちからお金を集めて、様々な投資先に投資します。
投資信託は、数千種類もあり、株だけで運用するものもあれば、債券や不動産、金などに投資するものもあります。ロボット系の企業の株だけに投資するなど、独自のカラーを打ち出しているものもあります。
そのため、どの投資信託を選ぶかによって、期待リターンやリスクも大きく変わります。
初心者の方におすすめなのは、例えば「日経平均株価」や「S&P500」といった、たくさんの企業の株価から計算されるインデックス指数に連動するように運用してくれる投資信託です。こういった投資信託のことを「インデックス投信」といいます。
インデックス投信で運用することで、個別の企業を選ばなくても、ざっくりと株に投資するということが可能になります。
たとえば、日本株に投資しようと思ったら、「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」に連動するように運用してくれるインデックス投信に投資しておけば、たくさんの日本企業に幅広く投資してくれるので、だいたい日本株に投資した場合の平均的なリターンを得ることができます。
米国株に投資したいと思ったら、「S&P500」や「ニューヨークダウ」などの指数に連動するように運用してくれるインデックス投信に投資しておけば、幅広い米国株に投資してくれるので、こちらも米国株に投資した場合の平均的なリターンが期待できます。
投資信託はいろんな人からお金を集めて運用しているので、たくさんの企業の株を買うことができます。自分のお金が少額でも、投資信託に預けることで、実質的に幅広い企業に投資することができるのです。
株で資産運用しようと思ったけれど、どの企業に投資をしたらよいか分からないという方は、まずはインデックス投信から始めてみることをおすすめします。だいたい500円か1,000円からでも、投資信託で運用できることが多いです。
(23)ETF
ETFとは
- どこで運用できる?:証券会社
- 期待リターンは?:約4〜7%
- リスクは?:値動きリスク
ETFは、ほとんど投資信託と同じものです。
ただし、投資信託は直接お金を運用会社に預けるのに対して、ETFの場合は、その投資信託の持ち分を東京証券取引所などの取引所で売買します。
少しややこしいと思うかもしれませんが、株のような形で投資信託を売買できると思っていただければ良いかと思います。
投資信託にお金を預けるのと、ETFを買うのは、基本的には同じことです。投資信託を解約してお金を引き出すのと、ETFを売るのも、基本的には同じことです。
一般的には、ETFの方が運用手数料が安いことが多いです。また、投資信託は解約するのに数日かかりますが、ETFの場合はすぐに売ることができます。これらがETFのメリットです。
一方で、ETFの場合は、株のように取引単位があるため、だいたいETFを1株買うと数万円します。つまり、ETFの場合は、最低でも数万円を用意しなければ資産運用できません。
本当に長期で持つなら、運用手数料が安いETFがおすすめですが、基本的にはETFでも投資信託でも、好みの問題なので、好きな方で資産運用すれば良いと思います。
(24)ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは
- どこで運用できる?:ロボアドバイザー会社
- 期待リターンは?:約6%
- リスクは?:値動きリスク
ロボアドバイザーとは、運用する人の年収や年齢、リスク許容度に応じて、ロボットが完全自動で運用してくれるサービスです。
実際には、裏側で、株や債券、不動産、金などの投資信託やETFを、適切なバランスで買ってくれています。
ロボットが運用してくれるというと心配な方もいるかもしれませんが、そんなに高度な運用をしているわけではないので、安心して任せて大丈夫です。ただ、自分で投資信託やETFを買って運用するのと比べると、やや運用手数料が高めなので、自分で運用できるのであれば、自分で運用したほうが良いと思います。
資産運用について何も考えたくないけれど、なんかいい感じに資産運用をしてほしい!という方は、とりあえずロボアドバイザーで始めてみるのがおすすめです。
番外編(2種類)


最後に、番外編としてNISAとiDeCoを紹介します。
NISAとiDeCoは、資産運用の種類といっても、投資商品ではなく、政府が用意した節税制度のことを指しています。
政府は、みんなが資産運用して老後資金をなんとか工面してほしいと思っているので、資産運用を応援するために、資産運用の利益が非課税になる制度を用意しています。それがNISAとiDeCoです。
そのため、NISAやiDeCoを利用して、株や投資信託を買うということになります。
(25)NISA
NISAは、NISA口座で購入した株や投資信託の利益が非課税になるというものです。
通常のNISAでは、毎年120万円までの非課税投資枠があります。この120万円以内で購入した株や投資信託の利益は、5年間、非課税になります。
つみたてNISAというものもあります。これは毎年40万円の非課税投資枠があります。この40万円以内で購入した投資信託の利益は、最長で20年間、非課税になります。
どちらのNISAを利用しても、資産運用による利益が非課税になるという、おいしいものなので、ぜひ利用したいところです。
(26)iDeCo
iDeCoは節税の王様といえる制度です。
まず、iDeCoを利用して投資する場合、その分の金額が所得から控除されます。たとえば、あなたの年収が500万円で、年間30万円をiDeCoで投資するとします。そうすると、500万円からこの30万円分が引かれた状態で、税金が計算されます。iDeCoを使えば使うほど、所得税が減るということです。
しかも、iDeCoで投資した投資信託から利益が出た場合、その利益も非課税です。しかも、NISAとは違って、こちらは期間の定めもありません。
iDeCoには一応デメリットもあります。それは、iDeCoを利用して投資したお金は、原則60歳になるまで引き出せないという点です。しかし、老後に向けて資産運用をしているのであれば、これはそもそもデメリットになりません。
このように、iDeCoはめちゃめちゃお得な制度であり、資産運用をするなら、もはや使わなければ損といっても差し支えがない制度なのです。
資産運用24種類の比較は?

続いて、NISAとiDeCoを除いた24種類の資産運用を二つの観点から比較してみましょう。
ひとつはリスク、もう一つはリターン(利回り)です。
リスクで比較する
そもそも資産運用のリスクは?

資産運用のリスクとひとことで言っても、様々なリスクがあります。
「資産運用のリスク」というと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?
資産運用のリスクとひとことで言っても、企業が倒産するリスク、株価などの値動きリスク、為替の値動きリスク、好きなときに換金できない流動性リスクなど、その実態は様々です。
ここでは総合的にみて、リスクが低いものから高いものまで、分類しています。
リスクが低いもの(ローリスク)

元本が減る可能性がないものや、元本が減る可能性が比較的低いものです。
- 定期預金
- 外貨預金
- 日本国債
- 米国債
- 社債
- 円建て保険
- 外貨建て保険
リスクが平均的なもの(ミドルリスク)

元本が減る可能性があるものです。元本がゼロになる可能性は比較的低いです。
- 日本株
- 米国株
- 中国株
- その他の外国株
- ハイイールド債
- 不動産投資
- REIT
- 金
- 融資型クラウドファンディング
- 不動産型クラウドファンディング
- 投資信託
- ETF
- ロボアドバイザー
リスクが高いなもの(ハイリスク)

元本が半分以下やゼロになる可能性が比較的高いもの、借金を背負う可能性もあるものです。
- 株式型クラウドファンディング
- 仮想通貨
- 先物
- FX
利回りで比較する
続いて、利回りで比較してみたいと思います。利回りというのは、年間で元本に対してどのくらい稼げるかという概念です。
利回り:〜1%
- 定期預金
- 外貨預金
- 日本国債
- 円建て保険
- 外貨建て保険
利回り:1%〜5%
- 米国債
- 社債
- REIT
- 金
- 融資型クラウドファンディング
- 不動産型クラウドファンディング
利回り:5%〜10%
- ハイイールド債
- 日本株
- 米国株
- 中国株
- その他の外国株
- 不動産投資
- 投資信託
- ETF
- ロボアドバイザー
利回り:10%〜
- 仮想通貨
利回り:ー
- 先物
- FX
- 株式型クラウドファンディング
資産運用の比較表
以上を表にまとめると、以下のようになります。

リスクが高いほど、リターンも高くなっていくのが分かります。
ローリスク | ミドルリスク | ハイリスク | |
〜1% |
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1%〜5% |
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5%〜10% |
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10%〜 |
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ー |
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資産運用24種類のおすすめは?


最後に、おすすめの資産運用を紹介したいと思います。
初心者の方と、中級者〜上級者の方では、おすすめが違うので、それぞれ分けて説明します。
初心者におすすめの資産運用3選
まずは、初心者の方におすすめの資産運用です。
第3位:定期預金
まずは「とにかく安全で気軽なものから始めてみたい!」という方向けに、定期預金をおすすめします。
定期預金だと、本当に大した利回りではありませんが、とにかくお金を使って、お金を増やすという体験が最低限できると思います。
定期預金から始めてみて、他の資産運用に入っていくと良いかと思います。
第2位:ロボアドバイザー
定期預金なんて、ほぼ増えないから、もう少し資産運用らしいことをしてみたいという方には、ロボアドバイザーがおすすめです。
ロボアドバイザーは、年齢や年収など、いくつかの質問項目に答えるだけで、自分のための運用プランが出来上がります。あとは、お金を預けて運用してもらうだけです。
資産運用が始めると、資産が増えたり減ったりしますが、株や仮想通貨等と比べると、その値動きも比較的ゆるやかなので、資産運用のリスクに慣れていくのにも良いでしょう。
第1位:投資信託・ETF
ロボアドバイザーに慣れてきたら、自分で投資信託やETFを選んでみるのも良いでしょう。
自分でどんな資産運用をしたいかを考えることで、資産運用や投資についての好奇心や知識も深まっていくと思います。
資産運用をしていると、調子がよいときも、調子が悪いときもあります。そんな中で、とにかく大切なのは、資産運用を続けることです。そのためには、好奇心や知識はあったほうが良いのは確かです。
老後に向けてじっくり資産を育てていくだけなら、ロボアドバイザーでも充分といえば充分なのですが、さらに投資や資産運用に詳しくなりたい方は、投資信託やETFもぜひ検討してみてください。
中級者〜上級者におすすめの資産運用3選
続いて、中級者〜上級者におすすめの資産運用です。
第3位:金・仮想通貨
資産運用になれてきたら、投資先に組み入れたいのが金や仮想通貨といったコモディティです。
これらは資産運用の代表的な手段である株と違った値動きをしやすいため、全体として資産の増減を相殺しあってマイルドにしてくれる効果があります。
また、最近は世界的に金融緩和が行われています。金融緩和というのは、各国の中央銀行が次々と紙幣を刷って、お金の量を増やしているということです。世の中のお金の量が増えていくと、お金に対する、金や仮想通貨の希少性は相対的に高まるため、金や仮想通貨は値上がりしやすくなります。
ここ1年ほどは、金・仮想通貨ともに二桁台のリターンが出ており、いまホットな投資先だと言えるでしょう。
第2位:投資信託・ETF
投資信託やETFは、非常に優れた使いやすい資産運用手段なので、中級者から上級者にも引き続きおすすめです。
世界のプロの投資家たちもETFや投資信託を使いまくって資産運用をしています。投資信託やETFは、それほど資産運用にとって必要不可欠なものだと言えるでしょう。
第1位:米国株
さらに、中級者から上級者の方には、米国株への投資がおすすめです。
そもそも米国株は利回りが7%程度見込めて、魅力的な投資先であるということに加えて、世界的な企業がたくさんあるため、企業分析などをしていくと、とても知的好奇心が満たされます。
米国株投資を通じて、世界経済や社会のあり方が見えてくるといっても、言い過ぎではありません。
情報を取得するときに英語が必要になることが多いという難点はありますが、ぜひ米国株投資にも挑戦してみてください。
まとめ
今回は、26種類の資産運用を解説した上で、NISAとiDeCoを除いた24種類をリスクと利回りで比較しました。、
おすすめの資産運用手段としては、以下のような形となりました。
- 超初心者で、資産運用が怖い方は定期預金
- 初心者は、ロボアドバイザーや投資信託、ETF
- 慣れてきたら、金や仮想通貨、米国株
資産運用を行う際には、ぜひ参考にしてみてください。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。