徹底解説!「FF金利」とその見方

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キャプテン資本主義

どうも、キャプテンです!

投資好きな20代サラリーマン。

インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。

 

本日は、金利の基本中の基本である「FF金利」について説明します。

FF金利とは何かという基礎から、FF金利の見方、予測をチェックする方法、投資への活用方法まで書いていますので、ぜひお読みください。

それでは、さっそく解説に入ります。

 

FF金利とは

FF金利とは、アメリカの短期金利指標のひとつで、日本における無担保コールレートに該当します。

市中銀行が他の銀行から無担保でお金を借りる際に、この金利が適用されます。

 

アメリカの市中銀行は、フェデラルファンドと呼ばれる準備金を中央銀行に預託しなければなりません。それが不足している場合には、他の銀行からFF金利に基づいて資金を調達するわけです。

中央銀行(FRB)は、国債の買い入れ・売却などを通じて、このFF金利をコントロールすることで、関節的にアメリカの金利ひいては景気をコントロールしています。

 

FF金利をいくらに誘導することを目指すかというのは、各地域の連銀が集まって行われるFOMCという会議において決定されます。

 

FF金利の見方

FF金利の見方は簡単です。

 

そもそも、FRBの目的は、物価と雇用の安定です。

そのため、景気が加熱してきたなと思うと、FF金利をあげることで、世の中の経済活動にブレーキをかけて、インフレを防ぎます。

逆に、景気が悪くなってきたなと思うと、FF金利を下げることで、お金を借りやすくして、経済活動を支援します。

 

つまり、FF金利が上がっているのか、下がっているのかを見ることで、現在は景気の循環のどのステージにいるのかを知ることができるわけです。

 

景気が良くなるとFF金利が上がり始める

つまり、FF金利が上がり始めると、「今の景気は良いが、一方で徐々に好景気の終わりが近づいている」、FF金利が下がり始めると、「今の景気は悪いが、徐々に景気回復が近づいている」という風に理解すれば良いでしょう。

景気回復 利下げ→利上げ
好景気 利上げ
景気悪化 利上げ→利下げ
不況 利下げ

 

景気回復期などは、金利が低いので、株価は上がりやすいです。

やがて、好景気に入って、利上げが行われ始めると、きっちりと業績を出している企業と、業績の悪い企業が出てきて、株価が上がる企業と上がらない企業が分かれてきます。

 

FF金利の確認方法

FF金利を確認する方法をお伝えします。

 

米国政策金利モニターツールを使おう

FF金利を確認する方法は、Investing.comの「米国政策金利モニターツール」が見やすいです。

米国政策金利モニターツール(Investing.com)

 

FF金利の見通しや予想もチェック

FF金利が今後どのくらいのペースで利上げ・利下げされるのかということも、今後の株価や景気を予想する上では非常に重要です。

これは今後、景気のステージがどのくらいのペースで移り変わっていくのかを予想することに繋がります。

 

それでは、FF金利の見通しをチェックするためのツールを3つ紹介します。

 

米国政策金利モニタリングツール

先ほどの米国政策金利モニタリングツールでは、次回の利上げの確率を見ることができるので、相場がどのくらい次回の利上げを想定して織り込んでいるかという目安として活用することができます。

 

ドットプロット

ドットプロットとは、FOMCの会議参加者である各連銀の総裁たちが、今後数年にわたって、FF金利がどのように推移するかという予想をした内容を、ドットグラフに落とし込んだものです。

見やすいのは、ブルームバーグが提供している以下のグラフです。

2018年末には2.5%弱に予想のボリュームゾーンがあります。2019年末には3%前後、2020年末には3.5%前後を予想している参加者が多いことが分かります。

ドットプロットは、FOMC参加者による予想であるため、市場のコンセンサスというよりは、FOMC側のガイダンスのようなイメージで市場予想とのギャップがあるか等を見るのが良いでしょう。

また、ドットプロットが以前と比べてどのように変化しているかというのを見ることも大切です。先ほどのページでは、過去の任意の開催日におけるドットプロットと並べて表示できるため、簡単に比較して見ることができます。

 

CME先物による予想

CME先物のFedWatchツールでは、市場参加者の側が、今後どのようなFF金利の推移を予想しているかを見ることができます。

これらはCMEで取引されているFF金利の先物価格から、予想されるFF金利を逆算したものです。

上のタブの「19 1218」となっているのは、2018年12月19日という意味です。

2018年12月19日に開催されるFOMCにおいて、FF金利がどうなると市場参加者が予想しているかというと、

  • FF金利の誘導目標が2.00%〜2.25%とされる確率が12.8%
  • FF金利の誘導目標が2.25%〜2.50%とされる確率が80.3%
  • FF金利の誘導目標が2.50%〜2.75%とされる確率が6.8%
  • FF金利の誘導目標が2.75%〜3.00%とされる確率が0.1%

だということですね。

 

現在の金利が2.00%であることを考えると、市場参加者の大部分は年内にあと1回の利上げを見込んでいるということが分かります。

上のタブを切り替えていくことで、他の開催日におけるFF金利の予想も見ることができます。

 

FF金利を投資に活かす方法

それでは、景気のステージを知ることができるFF金利をどのように投資に活かせばよいでしょうか。

 

FF金利が下がり始めたら、不景気に備える

まずは、FF金利が下がり始めたら、景気がピークアウトしたことが予想されるため、不景気に備えた方が良いでしょう。

具体的には、株式の一部を債券に入れ替えたり、景気の影響を受けやすい銘柄(例えばGMなどの自動車株)を景気の影響を受けにくい銘柄(例えばPGなどの日常生活株)に入れ替えるなどが考えられます。

 

FF金利が下がりきったら、成長株に投資する

続いて、FF金利が下がりきったら、景気が徐々に回復していきますが、中でも世の中の金利が低いために、投資家の資金はリターンを求めて、成長株に集まります。

2015年のFANGブーム(Facebook、Amazon、Google、Netflixの4銘柄が上昇したブーム)なども、金利が低いことによってもたらされました。

金利が高ければ、投資家は債券などに投資しておけば安全にリターンを得られますが、金利が低いということは、お金の置き場がないということです。

こうした状況では、実際の業績よりも、成長ストーリーが美しいかという点が重視されるようになります。

FF金利が下がりきったら、成長株を探してみると良いでしょう。

 

FF金利が上がり出したら、業績に注意する

FF金利が上がり出したら、それに影響を受けて、短期国債の金利なども上がり始めます。

これは投資家にとって、他の魅力的な投資先が台頭することを意味します。

そのため、FF金利が低いときよりも、各株式銘柄を判断する視線は厳しくなります。

きちんとコンセンサスを超える業績を出していない企業は、美しい成長ストーリーを語っていても、売り捨てられるようになっていきます。

これが業績相場です。

FF金利が上がり始めたら、業績相場になったことを受け入れて、決算で業績の悪い銘柄はきっちりと切っていくようにしましょう。

 

キャプテンのひとこと

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