米国株式市場(アメリカ)のサーキットブレイカー制度について解説

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キャプテン資本主義

どうも、キャプテンです!

投資好きな20代サラリーマン。

インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。

 

今回のテーマ:米国株のサーキットブレイカー制度って何?

 

コロナショックで「サーキットブレイカーが発動した」ってツイッターでよく流れてくるけど、サーキットブレイカーって何なの?やばいの?

 

こんな疑問に答えていきます。

 

「サーキットブレイカー」と聴くと、なんか凄そうですが、意外とシンプルなので安心してください!(笑)

この記事を読んで、サーキットブレイカーが発動しても焦らないよう、理解を深めていただければと思います。

 

この記事で説明すること

  • サーキットブレイカー制度とは
  • アメリカのサーキットブレイカー制度の解説
  • サーキットブレイカーが発動したら?

 

それでは、説明していきます。

 

米国株式市場のサーキットブレイカー制度について解説

サーキットブレイカー制度とは

サーキットブレイカーとは、あまりに相場が売り一色になったときに、取引を一時停止する制度です

 

一時的に取引を停止する制度

株式マーケットでは、通常時は買いたい人と売りたい人がバランスよく存在するため、株価は買いと売りが拮抗しながら動きます。

しかし、時には株を売りたい人ばかりになり、バランスが崩れてしまうこともあります。そうすると、株価が急落するため、リスク管理のために売る人やパニックになって売る人も現れ、売りが売りを呼ぶ状況になってしまいます。

そのような状況になると、市場の需給の力だけでは、株価の下落を止めることができなくなります。

そこで、あまりにマーケットが売り一色になった場合は、一時的に取引を強制停止させて、みんなで頭を冷やす時間を作ろうというのが「サーキットブレイカー制度」の趣旨です。

なお、サーキットブレイカー制度は、全世界で一律の仕様ではなく、細かい仕様は国・市場によって異なります。

 

サーキットブレイカー制度の語源

ちなみに、サーキットブレイカーという言葉は、電気回路の「遮断器」から来ています。

電気回路に電流が流れすぎたときに、発熱などを食い止めるために電源を落とす役割を担っているのが遮断器(サーキットブレイカー)です。

同じように、市場で売りが加熱しすぎたときに、一時的に電源を落とすようなイメージなわけですね。

 

サーキットブレイカー誕生の背景

サーキットブレイカー制度は、ニューヨーク証券取引所で1987年に始まりました。

その背景には、同年に発生した「ブラックマンデー」と呼ばれる株価の大暴落への反省があります。

ブラックマンデー(暗黒の月曜日、英語: Black Monday)とは、1987年(昭和62年)10月19日(月曜日)に香港を発端に起こった世界的株価大暴落である。米国のダウ平均株価(DJIA)は、ちょうど508ポイント(22.6%)下落した。これは過去最大の1日の減少率であった。大量の売りが1日を通して急激な価格下落を引き起こし、特に取引の最後の1時間半の間で顕著であった。

(Wikipedia「ブラックマンデー」より)

 

サーキットブレイカーは、ブラックマンデーのような大暴落を防ぐために、生み出された制度なのですね。

 

米国株式市場のサーキットブレイカー制度

アメリカの株式市場のサーキットブレイカー制度について説明します

 

(1)マーケット全体のサーキットブレイカー制度

まず、マーケット全体の取引を停止するサーキットブレイカー制度(Market-Wide Circuit Breakers)があります。

S&P500指数の値動きに基づいて、3段階のサーキットブレイカーが用意されています。

  • Level 1:9:30〜15:25の間に、S&P500が前日終値から7%以上下落したら発動、取引を15分間停止
  • Level 2:9:30〜15:25の間に、S&P500が前日終値から13%以上下落したら発動、取引を15分間停止
  • Level 3:(時間に関係なく)S&P500が前日終値から20%以上下落したら発動、その日は取引を停止

 

3段階のサーキットブレイカーは、1日にそれぞれ1回まで発動します。

言い換えると、同日中に再度、株価が前日比7%以下になったとしても、「Level 1」が2回発動することはありません

 

(2)個別株のサーキットブレイカー制度

個別の銘柄ごとのサーキットブレイカー制度(Limit Up-Limit Down)、通称「LULD」も存在します。

個別株のサーキットブレイカー制度というのは、日本でいう「特別気配」のようなものですね。

 

LULDは、以下のような仕様となっています。

  • 9:30〜15:35の間に、15秒以上、過去5分間の平均価格から5%以上変動したら発動、取引を5分間停止する
  • 15:35〜16:00の間に、15秒以上、過去5分間の平均価格から10%以上変動したら発動、取引を5分間停止する

 

なお、LULDは「Tier 1」と呼ばれるS&P500などに含まれる主要銘柄にのみ適用されます。

小型株は、そもそも株価が動きやすいことに加えて、マーケット全体への影響も小さいため、取引を止める必要はないだろうという判断でしょう。

 

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サーキットブレイカーが発動したら?

頭を冷やしましょう(笑)

 

サーキットブレイカーが発動したからといって、パニックになる必要はありません。

そもそも、サーキットブレイカー制度というのは、頭を冷やす時間を設けて、パニック売りを防ぐためにあるからです。

 

サーキットブレイカーが発動したら、まずは頭を冷やして、冷静になりましょう(笑)

冷静に考えて、それでもやっぱり株を売るべきだと思ったら、サーキットブレイカーの一時的な停止時間終了後に株を売りましょう。

 

最近の米国市場は、アルゴリズム(コンピュータープログラム)によって自動発注されている注文が非常に多いため、サーキットブレイカーは発動しやすくなっています。

「株価が一定下がったら売る」というアルゴリズムがたくさん動いていれば、株価が一定下がったら、次々とアルゴリズムの売り注文が発動してしまうからです。

 

まとめ

この記事では、以下の内容を説明しました。

 

この記事で説明したこと

  1. サーキットブレイカーとは、市場が売り注文だらけになったときに、一時的に取引を停止する制度
  2. アメリカの場合は、相場全体に対して発動するサーキットブレイカーと、個別株ごとに発動するサーキットブレイカーがある
  3. サーキットブレイカーが発動しても焦る必要はない

 

サーキットブレイカーは相場のパニックを止めてくれるものなので、焦らずに取引するようにしましょう。

それでは、今回はここら辺にしたいと思います。

 

なお、米国株に関する情報は、以下のページにまとめているので、もしよければご覧ください。

米国株のまとめ

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