どうも、キャプテンです。
今回は、VISA(ビザ)の株価について、割高・割安を考えます。
VISAの基本情報は、以下の記事にまとめてあるので、そちらを読んでくださいね。
それでは、さっそくバリュエーションしていきましょう。
VISAの株価は割安?
直近の経営状況の振り返り
まずは、簡単に直近の経営状況を振り返っておきましょう。
(1)決済金額は順調に成長中
VISAは、VISAブランドのカードで決済された金額に応じて手数料をもらうビジネスモデルなので、決済金額が大切です。
直近四半期(2019年12月)は、前年比8%増となっています。
内訳は、クレジットカードが5%増、デビットカードが10%増でした。

ちなみに、競合のマスターカードは前年比12%増で成長しているので、マスターカードの成長率の方が少し高い印象です。

さて、決済金額が伸びているので、売上も順調に成長しています。
売上の成長率はおおむね年間10%前半ですね。

(2)経営状況のまとめ
以下、VISAの直近の経営状況を整理します。
- 決済金額は年率8%程度で成長中、マスターカードよりは少し低い
- 売上は年率10%程度で成長中
VISAのバリュエーション
さて、続いてVISAのバリュエーションを見ていきましょう。
(1)バリュエーションの基礎
まずは、バリュエーションの基本を振り返っておきましょう。
DCF法に基づく計算式
事業価値 = フリーキャッシュフロー / (割引率 − フリーキャッシュフロー成長率)
この事業価値が、現在の売値(時価総額 + 純負債)よりも高ければ割安、低ければ割高だと判断できます。
(2)VISAの売値
現在、VISAの時価総額は$386.7B、純負債は4.6Bです。
合計すると、VISAは$391.3Bで売られていることになります。
(3)VISAのフリーキャッシュフロー
VISAの直近のフリーキャッシュフローを確認します。
ざっくりとしたフリーキャッシュフローは、以下のように推移しています。

VISAは決算月が9月なので、上のグラフの「2019」は2018年10月〜2019年9月までの数値です。
今回は、2019年12月時点でのTTMのざっくりフリーキャッシュフローを用いたいと思います。
ざっくりフリーキャッシュフローの値は$12.5Bです。
(4)フリーキャッシュフローの成長率と事業価値
それでは、VISAの事業価値を計算してみましょう。
フリーキャッシュフローの成長率に応じた事業価値を表にすると、以下のようになります。
割引率 | 成長率(5年) | 成長率(その後) | 事業価値 | 売値との差額 |
10% | 16% | 4% | $342.9B | -$48.4B |
10% | 18% | 4% | $369.8B | -$21.5B |
10% | 20% | 4% | $398.6B | $7.3B |
10% | 22% | 4% | $429.2B | $37.9B |
将来的な成長率が4%程度に収束する場合、今後5年の成長率が20%程度であればフェアバリューです。
今後5年の成長率が20%程度よりも低い場合、現在の株価は割高です。
今後5年の成長率が20%程度よりも高い場合、現在の株価は割安です。
この20%程度というフリーキャッシュフロー成長率は現実的なのでしょうか?
まず、過去をみると、FY2010〜FY2019のざっくりフリーキャッシュフロー成長率は相乗平均で19%です。
また、フリーキャッシュフローではないですが、EPS成長率のアナリスト予想を見てみると、以下のようになっています。

平均すると14.6%です。
これらの数値から考えると、今後5年のフリーキャッシュフロー成長率は20%よりも低くなるのではないかと思います。
よって、VISAの現在の株価は割高だと思います。
今後5年のフリーキャッシュフロー成長率を18%で仮置きすると、適正株価は170ドル程度となります。
今後5年のフリーキャッシュフロー成長率を14%で仮置きすると、適正株価は146ドル程度となります。
それでは、今回は以上で!
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。