どうも、キャプテンです。
今回は、Mastercard(マスターカード)の株価について、割高・割安を考えます。
マスターカードの基本情報は、以下の記事にまとめてあるので、そちらを読んでくださいね。
それでは、さっそくバリュエーションしていきましょう。
Mastercard(マスターカード)の株価は割安?
直近の経営状況の振り返り
まずは、簡単に直近の経営状況を振り返っておきましょう。
(1)決済金額は順調に成長中
マスターカードは、決済金額の一部を手数料として受け取るビジネスです。
そのため、決済金額が伸びているかが最も重要な指標となります。
直近の決算では、米国でも前年比9%増で伸びていましたが、米国以外は前年比14%とさらに成長しています。
クレジットとデビット・プリペイドのバランスも良いですね。

(2)利用頻度の増加が成長ドライバー
直近の成長ドライバーを見てみると、マスターカードブランドの付与されたカードの発行枚数は前年比5%増にとどまっています。
一方で、トランザクション数は前年比19%増と大きく増えています。
つまり、カード保有者一人あたりの決済回数が伸びているということです。
ECでの買い物をする機会が増えたり、カード決済を導入する店舗が増えたり、日常の少額決済もカードで行うようになったり等が、1人あたりトランザクション数の増加に寄与しているのでしょう。

(3)経営状況のまとめ
以下、マスターカードの直近の経営状況を再度整理します。
- 決済金額は順調に成長しており、特に米国以外で伸びている
- カード保有者1人あたりの決済回数増加が成長ドライバーとなっている
マスターカードのバリュエーション
さて、続いてマスターカードのバリュエーションを見ていきましょう。
(1)バリュエーションの基礎
まずは、バリュエーションの基本を振り返っておきましょう。
DCF法に基づく計算式
事業価値 = フリーキャッシュフロー / (割引率 − フリーキャッシュフロー成長率)
この事業価値が、現在の売値(時価総額 + 純負債)よりも高ければ割安、低ければ割高だと判断できます。
(2)マスターカードの売値
現在、マスターカードの時価総額は$342.5B、純負債は1.61Bです。
合計すると、マスターカードは$344.1Bで売られていることになります。
(3)マスターカードのフリーキャッシュフロー
マスターカードの直近のフリーキャッシュフローを確認します。
ざっくりとしたフリーキャッシュフローは、2019年時点で$7.76Bです。

(4)フリーキャッシュフローの成長率と事業価値
それでは、マスターカードの事業価値を計算してみましょう。
長期的な成長率が6%程度に収束すると考えた場合、フリーキャッシュフローの成長率に応じた事業価値を表にすると、以下のようになります。
割引率 | 成長率(5年) | 成長率(その後) | 事業価値 | 売値との差額 |
10% | 14% | 6% | 274.5 | -69.6 |
10% | 16% | 6% | 297.2 | -46.9 |
10% | 18% | 6% | 321.4 | -22.7 |
10% | 20% | 6% | 347.4 | 3.3 |
将来的に、成長率が6%程度に収束すると考えた場合、今後の成長率が20%程度であればフェアバリューです。
今後5年の成長率が20%程度よりも低い場合、現在の株価は割高です。
今後5年の成長率が20%程度よりも高い場合、現在の株価は割安です。
この20%程度というフリーキャッシュフロー成長率は現実的なのでしょうか?
まず、過去10年のフリーキャッシュフロー成長率は、相乗平均でみると19%程度、過去3年の成長率は21%です。
また、フリーキャッシュフローではなくEPSになってしまいますが、アナリスト予想ではFY2024までのEPS成長率の平均16%程度となっています。

これらの数値から考えると、現在のマスターカードの株価は、やや割高だと言えるでしょう。
長期的な成長率が6%に収束するというのも、やや甘めの見立てなので、バリュー投資であればもう少し安いときに解体かなと思います。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。