どうも、キャプテンです。
今回は、スターバックスの株価について、割高・割安を考えます。
スターバックスの基本情報は、以下の記事にまとめてあるので、そちらを読んでくださいね。
それでは、さっそくバリュエーションしていきましょう。
スターバックスの株価は割安?
直近の経営状況の振り返り
まずは、簡単に直近の経営状況を振り返っておきましょう。
(1)スターバックス・リワードプログラム
飲食店が成長するためには、新規店舗を出店することに加えて、既存店舗の売上を上げていく必要があります。
その重要な施策を担っているのが「スターバックス・リワードプログラム」です。
このリワードプログラムでは、スターバックスの利用に応じてポイントがたまり、会員ランクが決まります。
そして、会員ランクに応じて、様々な特典が得られるという仕組みになっています。
リワードプログラムを通じて、ヘビーユーザーになってもらおうというのがスターバックスの戦略です。
リワードプログラムは現在、アメリカで1,890万人(前年比+16%)、中国でも1,020万人(前年比+40%)と急成長しています。
(2)新規店舗の出店
新規店舗の積極的な出店も行われています。
スターバックスは現在、15,834の直営店と15,422のフランチャイズ店を運営しています。
FY2019年には、直営店が493店、フランチャイズ店が1,439店と増えました。
(3)ネスレとの提携
スターバックスは、ネスレとの提携をFY2018年にはじめました。
これはスターバックスブランドのコーヒーを、ネスレのオフィス向け・住宅向けのコーヒー販売ネットワークに乗せて販売していくというものです。スターバックスの店舗以外でも売上を立てていこうという戦略です。
これらの成長戦略によって、スターバックスの売上は順調に成長しています。

(3)経営状況のまとめ
以下、スターバックスの直近の経営状況を再度整理します。
- リワードプログラムは好調に成長中
- 新規店舗も積極的に出店している
- ネスレとの提携で、店舗以外でも売上を立てる戦略を進めている
スターバックスのバリュエーション
さて、続いてスターバックスのバリュエーションを見ていきましょう。
(1)バリュエーションの基礎
まずは、バリュエーションの基本を振り返っておきましょう。
DCF法に基づく計算式
事業価値 = フリーキャッシュフロー / (割引率 − フリーキャッシュフロー成長率)
この事業価値が、現在の売値(時価総額 + 純負債)よりも高ければ割安、低ければ割高だと判断できます。
(2)スターバックスの売値
現在、スターバックスの時価総額は$104.7B、純負債は8.5Bです。
合計すると、スターバックスは$113.2Bで売られていることになります。
(3)スターバックスのフリーキャッシュフロー
スターバックスの直近のフリーキャッシュフローを確認します。
ざっくりとしたフリーキャッシュフローは、FY2019時点で$3.24Bです。

(4)フリーキャッシュフローの成長率と事業価値
それでは、スターバックスの事業価値を計算してみましょう。
フリーキャッシュフローの成長率に応じた事業価値を表にすると、以下のようになります。
割引率 | 成長率(今後5年) | 成長率(その後) | 事業価値 | 売値との差額 |
10% | 10% | 4% | 70.5 | -42.7 |
10% | 12% | 4% | 76.2 | -37.0 |
10% | 14% | 4% | 82.3 | -30.9 |
10% | 16% | 4% | 88.9 | -24.3 |
将来的に、成長率が4%程度に収束すると考えた場合、今後の成長率が10%〜16%程度では、あまりにも割高です。
そこで、将来的な成長率が6%に収束する場合で考えてみます。
割引率 | 成長率(今後5年) | 成長率(その後) | 事業価値 | 売値との差額 |
10% | 10% | 6% | 97.5 | -15.7 |
10% | 12% | 6% | 105.8 | -7.4 |
10% | 14% | 6% | 114.6 | 1.4 |
10% | 16% | 6% | 124.1 | 10.9 |
将来的な成長率が6%に収束するとした場合、今後5年のフリーキャッシュフロー成長率が14%程度以上であれば、現在の売値はフェアバリューだということになります。
今後5年の成長率が14%程度よりも低い場合、現在の株価は割高です。
今後5年の成長率が14%程度よりも高い場合、現在の株価は割安です。
この14%程度というフリーキャッシュフロー成長率は現実的なのでしょうか?
フリーキャッシュフローではなくEPSになってしまいますが、アナリスト予想ではFY2023までのEPS成長率の平均11.2%程度となっています。

そもそも将来的な成長率を6%程度と高めに見ていること、今後の成長予想が14%を下回っていることなどから、現在のスターバックスの株価は割高だと言えるでしょう。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。