どうも、キャプテンです。
今回は、P&Gの株価について、割高・割安を考えます。
P&Gの基本情報は、以下の記事にまとめてあるので、そちらを読んでくださいね。
それでは、さっそくバリュエーションしていきましょう。
P&Gの株価は割安?
直近の経営状況の振り返り
まずは、簡単に直近の経営状況を振り返っておきましょう。
(1)売上は反転
P&Gは、事業再編の影響で売上が減少していましたが、一段落して2018年に売上は反転しています。

(2)中国に成長余地あり
現在、P&Gの中国セグメントは順調に成長しています。
FY2020の2Q決算では、中国セグメントの売上が前年比+13%と二桁成長を遂げていました。
中国セグメントは、すでにアメリカに次いで2番目に大きな売上となっています。
この中国セグメントが、今後どれだけ成長を続けられるかが注目されています。
(3)経営状況のまとめ
以下、P&Gの直近の経営状況を再度整理します。
- 事業再編による売上の減少は一段落して、再度成長中
- 特に、中国セグメントは二桁成長しており、今後の成長に期待
P&Gのバリュエーション
さて、続いてP&Gのバリュエーションを見ていきましょう。
(1)バリュエーションの基礎
まずは、バリュエーションの基本を振り返っておきましょう。
DCF法に基づく計算式
事業価値 = フリーキャッシュフロー / (割引率 − フリーキャッシュフロー成長率)
この事業価値が、現在の売値(時価総額 + 純負債)よりも高ければ割安、低ければ割高だと判断できます。
(2)P&Gの売値
現在、P&Gの時価総額は$311.5B、純負債は22.8Bです。
合計すると、P&Gは$334.3Bで売られていることになります。
(3)P&Gのフリーキャッシュフロー
P&Gの直近のフリーキャッシュフローを確認します。
ざっくりとしたフリーキャッシュフローは、2019年時点で$11.9Bです。

(4)フリーキャッシュフローの成長率と事業価値
それでは、P&Gの事業価値を計算してみましょう。
フリーキャッシュフローの成長率に応じた事業価値を表にすると、以下のようになります。
割引率 | 成長率 | 事業価値 | 売値との差額 |
10% | 4% | $198.3B | -$136.0B |
10% | 5% | $238.0B | -$96.3B |
10% | 6% | $297.5B | -$36.8B |
10% | 7% | $396.7B | $62.4B |
10% | 8% | $595.0B | $260.7B |
今後のフリーキャッシュフロー成長率が7%程度以上であれば、現在の売値はフェアバリューだということになります。
今後の成長率が7%程度よりも低い場合、現在の株価は割高です。
今後の成長率が7%程度よりも高い場合、現在の株価は割安です。
この7%程度というフリーキャッシュフロー成長率は現実的なのでしょうか?
P&Gの過去10年のフリーキャッシュフロー成長率を見てみると、平均1%程度です。
先ほどのグラフでも分かる通り、P&Gのざっくりフリーキャッシュフローは、ほぼ横ばいで成長していません。
続いて、フリーキャッシュフローではなくEPSになってしまいますが、アナリスト予想では、FY2023年までのEPS成長率の平均は7%程度となっています。

しかし、FY2023に向けて、徐々にEPS成長率は落ちていく予想となっているので、その後のEPS成長率はもっと低くなりそうです。
これらの数値から考えたときに、P&Gが長期的にフリーキャッシュフロー成長率7%程度を保てるかというと、怪しいかなと思います。
よって、現在のP&Gの株価は割高だと思います。結構安くならないと買う気がしない水準です。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。