どうも、キャプテンです。
ツイッターを見ていると、最近は「インデックスか高配当か」という議論が頻繁に目に入ります。
なんか違和感があるけど、最初はそんなに深く考えてなかったんですが、やはり違和感しかないので、この対立構造は意味不明だという話を書こうと思います。
この記事の目次
「インデックス」と「高配当」はそもそも対になる概念じゃない
結論から。
この議論が意味不明な理由は簡単で、インデックスと高配当はそもそも対になっていないから。
以下のような議論なら分かります。
- インデックス投資かアクティブ投資か
- キャピタルゲイン(値上がり益)かインカムゲイン(配当)か
- グロース株かバリュー株か
これらは、対になる概念を比較しているから。
1は投資スタイルに関する議論で、2は株主還元方法に関する議論、3は投資対象に関する議論です。
インデックスか高配当かという議論は、これらを乱暴に混ぜすぎ。
例えば、遠い将来、資本主義自体がもっと成熟して、S&P500が高配当になる可能性だって無いとは言い切れません。もし、そういうことになったら「インデックスか高配当か」という議論は崩壊してるじゃないですか。
なので、この議論はあまり投資をきちんと理解してない議論だと思います。
さて、これで終わりでもいいんですが、上であげたそれぞれについて、もう少し深掘りしてみたいと思います。
インデックス投資かアクティブ投資か
まずはインデックス投資かアクティブ投資かという話。
これはそんなに議論する余地がないというか。
自分がインデックスに勝てると思ったらアクティブ投資すればいいし、自分はインデックスに勝てないと思ったらインデックス投資をすればいい。
大半がインデックスに勝てないのは事実だろうと思われますが、本人がインデックスに勝てると思ってアクティブ投資をしてるなら、それが結論ではないでしょうか。
バフェットは勝ってますし、勝てないわけではないかと。
ちなみに、個別株とインデックスだと、数学的に「期待リターン」は変わらないという考え方もあります。
個別株(リスクが高い投資)だとリターンを複利で掛けていったときに、期待値(平均値)は変わらないけれど、中央値が左に寄るというものです。
言い換えると、リスクが高い投資の方が長期でみたときに、多くの負け組と一部の超勝ち組に分かれやすいということです。
これは、2018年にROKOHOUSEさんが記事にされている内容なので、詳しくはこちらをご覧ください。
この記事は、本当に必読だと思います。
リスクと複利の関係について解説したいと思う──なぜ個別株が負けるのか?編
アクティブファンドのほとんどがインデックス投資に負けているという議論も、アクティブファンドの一部がインデックスに大勝ちしてるなら、リターンの期待値は変わらない可能性もありますよね。
世の中の多くの情報にはポジショントークが紛れ込んでいるものです。なので「アクティブ投資はインデックス投資に勝てない」というのは、勝率ベースではなく、期待値ベースで考えると、あんまり文字通りに受け取る必要はないかなと思います。
(勝率ベースではなく、期待値ベースでのデータがもしあるなら教えてもらえると嬉しいです)
とはいえ、新たに資産運用を始める方には、僕は基本的にはインデックス投資をオススメします。負けにくいのは確かなので。
キャピタルゲインかインカムゲインか
続いて、キャピタルゲイン(値上がり益)かインカムゲイン(配当)かという話。
これは株主還元方法の議論で、こちらもそんなに難しい話ではありません。
株主としては、自社株が割高なら配当で還元してほしいし、自社株が割安なら自社株買いで還元してほしい。
以上。
税金面もありますが、それも込みで、概ね、上のような議論になると思います。
グロース株かバリュー株か
最後に、グロース株かバリュー株かという議論について。
個人的には、グロース株であれバリュー株というのは、極めていくと同じになると思っています。
が、まずは一般的な議論から。
成長ではなく割安こそがリターンの根源だというのがシーゲル派で、実際にそういう議論をデータ込みで展開したのが『株式投資の未来』ですよね。
その影響でバフェット太郎氏が登場して、日本ではバリュー株への配当再投資が流行ってるわけです。
でも、シーゲル教授の話は、あくまでも過去のリターンの話であり、シーゲル教授自身もポートフォリオのメインをインデックス投資に向けることを勧めています。
なので、一般的な議論としては、過去は割安(バリュー株)こそがリターンの源泉だったが、未来は分からないということになるかと思います。
というのを前提として、以下は個人的な見解です。
まず、グロース株であれ、バリュー株であれ、きちんとバリュエーションして買えば、それはバリュー投資だと思います。
単に、DCF法でバリュエーションするときのフリーキャッシュフロー成長率(いわゆる「g」)の違いでしかない。
ただ、グロース株は成長率(「g」)が予想しにくいので、バリュエーションが難しいです。
だから、バリュー株をバリュエーションして買うのと比べると上振れもしやすいし、下振れもしやすい。
そういう意味で、グロース株投資の方が、リスクが高いと言えると思います。
そうすると、あとは先ほどの「インデックス投資かアクティブ投資か」のところで紹介した話と同じです。
グロース株もバリュー株も、基本的には期待リターンは変わらない。
ただ、グロース株の方がリスクが高いので、中央値が左に寄って、最大リターンが増える。つまり、多くの負け組と、一部の超勝ち組に分かれやすい。あとは好み。
ということになるかと思います。
比較する議論は丁寧にやろう
だらだらと書きましたが、言いたかったことは!
雑な比較は盛り上がりやすいけど、あまり意味がない。
なので、何かを比較して議論するときは、きちんと対になるものを丁寧に比較する癖をつけると良いのではないかなと思います。
丁寧に比較すると、自分が取るべき行動が見えてきます。
- 「インデックス」かつ「インカムゲイン」がいいなら、高配当系の指数に連動するETFを買えばいい
- 「インデックス」かつ「キャピタルゲイン」がいいなら、S&P500連動、あるいはNASDAQに連動するETFを買えばいい
- 「アクティブ」かつ「グロース株」かつ「キャピタルゲイン」がいいなら、アマゾンとか買えばいい
- 「アクティブ」かつ「バリュー株」かつ「インカムゲイン」がいいなら、フィリップ・モリスとか買えばいい
みたいな感じです。
ということで、これからも投資を楽しんでいきましょう。
今回は以上です。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。