どうも、キャプテンです。
今回は、フェイスブックの株価について、割高・割安を考えます。
フェイスブックの基本情報は、以下の記事にまとめてあるので、そちらを読んでくださいね。
それでは、さっそくバリュエーションしていきましょう。
フェイスブックの株価は割安?
直近の経営状況の振り返り
まずは、簡単に直近の経営状況を振り返っておきましょう。
(1)成長は鈍化傾向にある
フェイスブックといえば、2000年代を代表するスタートアップでしたが、随分と大きくなったため、成長は鈍化傾向にあります。

2010年代前半頃は、基本的に前年比+50%以上で成長していましたが、直近の2019年は+26.6%まで成長が鈍化しています。
また、2020年については、前年比+20%の売上成長率が見込まれており、成長はさらに緩やかになっていく予定です。
(2)成長をブーストする新規事業は進捗がゆっくり
鈍化しつつある成長を再度ブーストしうる新規事業には、以下のようなものがあります。
- 仮想通貨Libra用のウォレットである「Calibra」
- インスタグラム上で売買まで出来る「チェックアウト機能」
しかし、これらはいずれも実現までに時間が掛かる予定で、現状ではスケジュール感なども見えていません。
(3)経営状況のまとめ
以下、フェイスブックの直近の経営状況を再度整理します。
- 売上の成長率は鈍化している。2010年代前半は毎年+50%で成長していたが、2020年は+20%が予定されている。
- 鈍化しつつある売上を再加速させるような新規事業は、スケジュールの目処が立っていない
フェイスブックのバリュエーション
さて、続いてフェイスブックのバリュエーションを見ていきましょう。
(1)バリュエーションの基礎
まずは、バリュエーションの基本を振り返っておきましょう。
DCF法に基づく計算式
事業価値 = フリーキャッシュフロー / (割引率 − フリーキャッシュフロー成長率)
この事業価値が、現在の売値(時価総額 + 純負債)よりも高ければ割安、低ければ割高だと判断できます。
(2)フェイスブックの売値
現在、フェイスブックの時価総額は$600.8B、純負債は無く、逆に資産があります。$43.8Bです。
合計すると、フェイスブックは$557.0Bで売られていることになります。
(3)フェイスブックのフリーキャッシュフロー
フェイスブックの直近のフリーキャッシュフローを確認します。
ざっくりとしたフリーキャッシュフローは、2019年時点で$21.21Bです。

(4)フリーキャッシュフローの成長率と事業価値
それでは、フェイスブックの事業価値を計算してみましょう。
フリーキャッシュフローの成長率に応じた事業価値を表にすると、以下のようになります。
割引率 | 成長率(5年) | 成長率(その後) | 事業価値 | 売値との差額 |
10% | 20% | 4% | $676.3B | $119.3B |
10% | 16% | 4% | $581.8B | $24.8B |
10% | 12% | 4% | $498.9B | -$58.1B |
10% | 8% | 4% | $426.5B | -$130.5B |
将来的に、フリーキャッシュフロー成長率が4%程度に収束すると考えた場合、今後5年のフリーキャッシュフロー成長率が16%程度以上であれば、現在の売値はフェアバリューだということになります。
今後の成長率が16%程度よりも低い場合、現在の株価は割高です。
今後の成長率が16%程度よりも高い場合、現在の株価は割安です。
さて、以下はフリーキャッシュフローではなく、EPSに関するアナリスト予想ですが、2025年までのEPS成長率の平均は14.7%、相乗平均だと14%となります。

こうした数値から考えると、現在の株価が織り込んでいる年率16%程度というフリーキャッシュフロー成長率は、概ねフェアバリューであるものの、ほんの少し割高かなと思います。
もしも長期的に成長率が4%未満に収束した場合は、さらに事業価値は低くなります。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。