今回のテーマ:米国株の配当収入を安定させるコツ

俺、配当が大好き。
米国株の配当って安定してもらえるの?
はい。米国株の中には、配当が安定している企業がたくさんあります。
いくつかのチェックポイントに気をつければ、安定して配当を得ることができます。
今回は、そのチェックポイントを紹介していきたいと思います。
米国株で配当収入を安定して得たいとき、チェックすべきポイントは主に3つです。
1. フリーキャッシュフローが安定か
2. 連続増配実績があるか
3. 配当性向が高すぎないかこの3つを満たしていれば、基本的には安定して配当を出し続ける企業だと考えられます。
— キャプテンの資産運用 (@captainvesting) February 11, 2020
自分でチェックするのが面倒な方向けに、条件を満たす銘柄もいくつか最後に紹介しています。
それでは、さっそく内容を見ていきましょう。
この記事の目次
米国株:配当収入が安定する銘柄の見つけ方
先のツイートに書いた通り、米国株で配当を安定して得るためにチェックすべき項目は3つです。
- フリーキャッシュフローは安定しているか
- 連続増配実績があるか
- 配当性向が高すぎないか
この3点に問題がなければ、その企業が安定して配当を出し続けてくれる確率はかなり高いです。
ということで、この3点をそれぞれ詳しく説明していきますね。
ポイント1:フリーキャッシュフローは安定しているか

まずは、フリーキャッシュフローが安定しているかを確認しましょう。
フリーキャッシュフローが安定していない企業は、配当の支払いも安定しないからです。
(1)フリーキャッシュフローとは?
フリーキャッシュフローが分からない方もいるかもしれないので、簡単に説明しておきます。
まず、企業が一年間を通じて、物やサービスを提供して「売上」を立てますよね。
そこから、人件費や広告費など、事業活動に必要なコストを引いて、残ったお金が「営業キャッシュフロー」です。
営業利益とは微妙に違うのですが、ざっくりと同じようなものだと思ってください。
さて、本業での利益である営業キャッシュフローの一部は設備投資などにあてられます。
さらに商品の生産を増やすために工場を立てたり、飲食店であれば新しい店舗を開くために投資したりしますよね。
これらは事業を継続・拡大していくために必要な投資です。
さて、営業キャッシュフローから設備投資を引いたものが、ざっくりとフリーキャッシュフローです。
つまり、一年間で稼いだ利益のうち、必要な投資もした上で残った、本当に自由に使えるお金ということです。
(2)配当はフリーキャッシュフローから支払われる
フリーキャッシュフローは、基本的には、内部留保になるか、株主に配当あるいは自社株買いとして還元されます。
なので、配当は原則としてフリーキャッシュフローの中から支払われるわけです。
だから、フリーキャッシュフローが安定していないと、配当が安定しないんですね。
たまに企業がフリーキャッシュフロー以上に配当を支払うときもありますが、それは収入がないのに無理をして払っている状態なので継続性がありません。
配当を安定して得たいのであれば、フリーキャッシュフローが安定している企業を選びましょう。
(3)フリーキャッシュフローが安定している企業の例
例えば、以下はジョンソン&ジョンソンのフリーキャッシュフローの推移です。

毎年、安定してフリーキャッシュフローを稼いでいて、しかも少しづつ増えていますよね。
こういう企業はとても素晴らしい経営がされており、配当も毎年増えていく可能性が高いです。
主な銘柄のフリーキャッシュフローの推移は、こちらにまとめています。
ポイント2:連続増配実績はあるか

次にチェックすべきポイントは、連続増配実績があるかどうかです。
連続増配実績は、経営陣の「配当」に対するコミットメントをみるための指標です。
(1)連続増配実績とは
まず、増配というのは、配当の金額が増えることを指します。
例えば、昨年は「1株あたり1ドル」だった配当が、今年は「1株あたり1ドル20セント」に増えたら増配です。
連続増配というのは、これが何年間連続で続いているかを指しています。
例えば、10年間、毎年増配が続いたなら、10年連続増配です。
何年も増配を続けてきた歴史のある企業では、経営陣が簡単に「配当を減らします」「配当をやめます」という判断はできません。
もしも自分が経営者のときに配当を減らせば、企業が何年もかけて積み上げてきた信頼を失い、ダメ経営者のレッテルを貼られてしまうからです。
だから、何年も連続増配を続けてきた企業の配当は、今後も安定する確率が高いのです。
(2)連続増配実績の確認方法
連続増配実績を確認するには「dividend.com」を見るのが簡単です。
「dividend.com」を開いたら、好きな企業名で検索して、その企業のページを開いてください。
一例として、コカ・コーラのページを開きました。

「Stock Dividend Data」というところに基本情報が書かれています。
この一番右の「DIVIDEND GROWTH」が連続増配年数です。
コカ・コーラであれば、なんと57 YRS(年)です!めちゃくちゃ長いですよね。
個別で調べるのが大変という方は、25年以上連続で増配している企業をまとめたので、こちらをご覧ください。
ポイント3:配当性向が高すぎないか

最後に、無理をして配当を出していないかをチェックするために「配当性向」も見るようにしましょう。
(1)配当性向とは
配当性向というのは、一般的には利益のうち、どのくらいを配当に回しているかを指します。
つまり、1株あたり配当 / 1株あたり利益で求められます。
しかし、先ほども書いたように、配当はフリーキャッシュフローから払われることを考えると、配当性向もフリーキャッシュフローベースで見るべきです。
つまり、1株あたり配当 / 1株あたりフリーキャッシュフローで見るべきです。
(2)配当性向のチェック例
またジョンソン&ジョンソンを見てみましょう。

2018年の配当性向は52%です。その他の年も、だいたい50%程度となっています。
つまり、フリーキャッシュフローの約半分が配当として株主に支払われているということです。
この水準であれば、今後もしもフリーキャッシュフローが減ったとしても、配当を減らさなくても大丈夫そうです。
逆に配当性向が高すぎる企業は、今後配当が減る可能性もあるので、要注意だということです。
主要銘柄の配当性向についても、こちらにまとめているので参考にしてください。
いちいちチェックするのが面倒だという方へ
ここまで3つのチェックポイントを説明してきましたが、毎回チェックするのは大変ですよね。
そんな方は、高配当ETFがオススメです。
高配当ETFがオススメです
高配当銘柄に投資するETFを使えば、ざっくりと高配当銘柄全般に幅広く投資することができます。
しっかりと複数企業に分散されているので、減配する企業があっても、全体としては配当が安定します。
ここでも分散投資の理論が活きるというわけです。
主な高配当ETFについては、以下の記事で紹介しています。
個別株に投資をしたい方
チェックするのは面倒だけど個別株に投資をしたいという方は、以下の銘柄が良いと思います。
ジョンソン&ジョンソン
例でもあげましたが、とても業績が安定しており、なおかつ成長もしています。
連続増配実績は57年で、配当性向は50%程度です。
マクドナルド
マクドナルドも、世界中に展開しており、業績が安定しています。
連続増配実績は43年で、配当性向は70%程度とジョンソン&ジョンソンほどではないですが、少し余裕があります。
コカ・コーラ
誰でも知ってる飲料メーカーで、連続増配実績は57年です。
直近の数年は業績が苦しんでいたため、ここ数年は配当性向が100%程度と余裕がなくなっていますが、業績も底打ちしたので、徐々に改善していくと思います。
スリーエム
世界的な化学メーカーで、連続増配実績は61年です。
業績は安定そのもので、配当性向は60%程度です。
P&G
誰もが知っている日用品ブランドを数々保有しているメーカーです。
景気に関係なく消費される日用品をつくっているので不景気にも強く、安心して保有できます。
連続増配実績は63年で、配当性向は60%程度です。
まとめ
今回は、以下のような内容を説明しました。
- 配当を安定して得るためには、(1)フリーキャッシュフローが安定しているか、(2)連続増配実績があるか、(3)配当性向に余裕があるかをチェックしよう
- チェックが面倒な人は、高配当ETFを買おう
- 個別株がよければ、ジョンソン&ジョンソン、マクドナルド、コカ・コーラ、スリーエム、P&Gあたりがオススメ
それでは!
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どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。