ペイパル(PYPL)が2019年4Q決算を発表しました。
さっそく内容を見ていきましょう。
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サラリーマン投資家です。
資産運用額は700万程度。色んな方と交流できれば嬉しいです。
ブログでは、米国株の銘柄分析などをしています。https://t.co/SKu6bZ3nKn
— キャプテンの資産運用 (@captainvesting) December 15, 2019
この記事の目次
ペイパル(PYPL)の決算内容(2019年4Q)
決算の概要

売上・EPSともにアナリスト予想を上回りました。
○ 売上:$4.96B(アナリスト予想 + $20M、前年比+17.3%)
○ EPS:$0.86 (アナリスト予想 + $0.03)
また、2020年の通年に関するガイダンスは、以下の通りです。
- 売上:$20.8〜21.0B(アナリスト予想は$20.8B)
- EPS:$3.39〜$3.46(アナリスト予想は$3.49)
売上・EPSはアナリスト予想を上回る好決算でした。
一方で、EPSのガイダンスについては、アナリスト予想を下回る保守的なものでした。
決算の詳細
売上は、前年比+17.3%の$4.96Bでした。
アクティブなアカウント数は3.05億アカウント(前年比+14%)で、ついに3億の大台を突破しました。
アクティブなアカウントあたりの平均トランザクション回数は、前年比+10%の40.6回でした。
アクティブなアカウント数、アカウントあたりのトランザクションともに順調に成長しています。
TPV(Total Payment Volume:合計決済金額)は、前年比+22%の$199Bでした。
前年にiZettleを買収している関係で、前年のTPVがブーストされており、その分、前年比は2%ほど鈍りました。これは一時要因です。
TPVに対する手数料率であるテイクレートは、前年比-0.08%程度の2.49%となりました。テイクレートの減少は、手数料が無料であるP2Pの送金がTPVに占める割合が増えていることに起因しており、あまり深刻に捉える必要はないと思います。
2020年のフリーキャッシュフローのガイダンスが$4Bと少し低めだった点は気になりましたが、その他のガイダンスは、引き続き、TPVや売上ともに20%前後を基調とした成長が続いていくことを確認できました。
ビジネスアップデート
Venmoのマネタイズは順調
ミレニアルズに人気のP2P送金アプリ「Venmo」は好調です。
まず、アカウント数は5,200万に達しています。それから、四半期のTPVは$29Bとなりました。前年比+56%の大幅な成長が続いています。
さて、Venmoはマネタイズも進んおり、年間で$450M程度の売上に育ってきています。
Venmoアカウントを使った「Venmo払い」に加えて、マスターカードと提携してVenmoデビットカードを提供していましたが、新たにVisaと提携したVenmoクレジットカードの提供も予定されています。
また、Venmoリワードプログラムというものもあります。これは企業がユーザー向けにお金をプレゼントする際に、Venmoで提供できるというもので、企業側から広告費を受け取ります。昨年は、ネットフリックスやペプシ、チポトレなどが利用しました。
中国ではUnion Payと提携
中国については、ペイパルの大きな成長余地の一つであり、中国の決済業者であるGoPayの株式を70%取得して、中国における決済ビジネスに参入するライセンスを取得していました。
今期は、中国本土の外で銀聯カード(中国におけるVisaやMastercardのようなカードブランド)を発行しているUnion Pay Internationalとの提携が発表されました。Union Pay Internationalは、1.3億枚のカードを発行しています。
ちなみに、銀聯ブランドのついたカードの累計発行枚数は75億枚を超えています。とんでもない数字です。
今回の提携では、手始めにPayPalに銀聯カードを登録できるようになりました。これで店舗側がUnion Payに対応していなくても、PayPalに対応していれば、銀聯カードを保有している中国人は、中国以外での決済時にPayPalを用いた決済が可能になります。
逆に、中国本土においては、Union Payに対応している店舗においてペイパル決済を可能にしていくことで、非中国人でも、中国のウェブサイト等で買い物をしやすいようにしていく予定です。
ペイパルの中国戦略は、AlipayやWeChat Paymentと戦うのではなく、このようにクロスボーダーの取引から入っていく戦略が取られています。
Honeyのインテグレーション
ペイパルがクーポン&リワードサイトの「Honey」を買収したことは、本ブログでも紹介した通りです。
この買収は、決済機能しか持っていないペイパルに、「Honey」のクーポンやリワード(購入金額の一部をキャッシュバックする)機能を融合させていくことで、ペイパルを総合的なウォレットサービスに育てていくことを目的としています。
買収後、まず最初の取り組みとして、すでにペイパルアカウントを用いてHoneyにログインできるようになっています。この対応によって、わずかな期間にHoneyのユーザー数は10万増えたとのこと。
今後は、時間を掛けて、Honeyのクーポンやリワード機能を、ペイパルやVenmoといったアプリに取り込んでいくことを予定しています。楽しみ。
どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。