【完全版】株を売るタイミング(投資スタイル別)

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キャプテン資本主義

どうも、キャプテンです!

投資好きな20代サラリーマン。

インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。

株式投資においては、株を買うタイミングよりも、株を売るタイミングの方が圧倒的に難しいと言われます。

 

また、株を売るタイミングというのは、本来その人の投資スタイルによって変わるものですから、「こうするのが必ずベストだ」という唯一の正解はありません。

そこで、今回は投資スタイル別に分けて、株を売るタイミングを説明します

 

読者の方にとってベストな売りタイミングを見つける参考としてもらえればと思います。

 

まとめポイント
  • 株を売るタイミングは、投資スタイルによって変わるので、唯一の正解はない。

 

株を売るタイミングについての基本原則

まずは、株を売るタイミングについての基本原則を説明します。

それは買ったときの理由がなくなったら売るということです。

 

こう書くと「唯一の正解はないって、先ほど言ったばかりじゃないか!」と思われるかもしれません。しかし、これは先ほどの記載と矛盾するものではないのです。

なぜなら、そもそも投資スタイルによって、株を買う理由が異なるからです。言い換えると、投資スタイルごとに株を買う理由が違うので、投資スタイルごとに株を売る理由が違うのです。

つまり、それぞれの投資スタイルにおいて、どういう理由で株を買っているかという投資スタイルの理解が、株を売るタイミングの理解へと直結します。

 

そこで、今回の記事では、それぞれの投資スタイルについて、いきなり売りのタイミングの話をするのではなく、まずは投資スタイルの説明から入ります。

自分がどの投資スタイルに該当しているか、自分の投資スタイルへの理解が正しいか、といった点も確認しながら、読み進めてみてください。

なお、この記事で取り扱う投資スタイルは、モメンタム投資、ファンダメンタルズ投資、配当株投資の3種類です。基本的には、すべての投資家がこの3種類のどれかに当てはまるはずなので、安心してください。

 

まとめポイント
  • 株を買ったときの理由がなくなったら売る。
  • 株を買う理由は、投資スタイルによって違うので、売るタイミングも違う。

 

モメンタム投資の場合

モメンタム投資とは

「モメンタム」とは「時勢」や「勢い」を意味します。

モメンタム投資とは、その名前のとおり、株価が上昇する勢いや時勢に飛び乗ろうというものです。

つまり「他の人たちも買っていて、株価がぐんぐんと上昇していること」が、モメンタム投資の場合の買い理由になります

株価に勢いがつく理由は複数ありますが、いくつかあげると

  1. 将来的に利益が上がりそうなニュースが発表された
  2. 決算の数値が、市場やアナリストの予想よりも良かった
  3. 決算によって、その企業の行なっている事業が予想よりも遥かに儲かる美味しい事業であることが分かった

などが存在します。

他の人たちが買っているか、売っているかを判断するには、チャートを見るのが一番です。

チャートの形状には、投資家の心理が織り込まれているからです。

だから、モメンタム投資においては、チャートを見ながら「これは勢いがあるな」と思えば買うし、「勢いがなくなったな」を思えば売るというのが投資家の取るべき行動なのです。

モメンタム投資とは、チャートを見ながら株式を売買する投資スタイルだと言えます。

 

株を売るタイミング

さて、それではモメンタム投資においては、いつ株を売るべきなのでしょうか。

大きく分けると、自分が株を買った後の初動において、自分の思い通りの株価が上昇したときと、自分の思い通りに行かずに株価が下落したときで、株を売るタイミングは変わってきます。

自分の思い通りに株価が上昇した場合には、その上昇が続く限り、なるべく株を売らずに持ち続けるべきです。

チャートを見ながら、株を持ち続け、チャート的に株価上昇の勢いがなくなったと判断したタイミングで売ることになります。

一方で、初動において、自分の読みが外れて株価が下落した場合には、リスク管理上、一定の損失でロスカットをすべきです。

それでは、それぞれの具体的な考え方に入っていきましょう。

(1)ダブルトップで売る

株価の上昇が終わったとチャートから判断するひとつの方法は「ダブルトップ」の出現を探すことです。

「ダブルトップ」とは、1回目につけた高値を、2回目の高値が突き抜けずに反落した場合を指します。

実際のチャートでも、見た目を確認しておきましょう。

さて、株価に勢いがあるうちは、前回の高値を更新しながら、ぐんぐんと株が上昇するものです。

2回目の高値が前回の高値を超えなかったということは、そこが今回の株価上昇のモメンタムの「天井」だと判断できるだろうというのが「ダブルトップ」の考え方です。

「ダブルトップ」が出現したら、株式を売るというのは有効な売りタイミングの判断方法だといえるでしょう。

なお、「ダブルトップ」の出現時にも、細かく分けて3つの売りタイミングがあります。「ダブルトップ」および「ダブルトップ出現時の売りタイミング」については、「ダブルトップ」の記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。

(2)トレンドラインを割り込んだら売る

チャートからモメンタムの消失を判断する、もうひとつの適した方法は「トレンドライン」を見ることです。

トレンドラインとは、チャート上の安値を繋いで引きます。

たとえば、先ほどと同じチャートで、トレンドラインを引いてみたものが、以下の図です。最後の株価下落では、株価がトレンドラインを割り込んでいることが確認できるかと思います。

安値がこのトレンドラインを割り込まない限りは、株価の上昇が続いていると判断するのが「トレンドライン分析」です。

「トレンドライン」は、世の中の多くの投資家が意識しているため、これを割り込むと世界中の投資家から売りが出て、株価が崩れるということも多いです。

個人的には、(1)の「ダブルトップ」よりも、こちらの「トレンドライン」を見ながらモメンタムが継続しているかを判断するのがオススメです。

(3)ロスカットで売る

さて、(1)と(2)では、初動で自分の思い通りに株価が上昇した場合に、どのタイミングで売るかという話をしてきました。

(3)は、株価を買ったあとに、株価が思い通りに上昇せずに、さっそく下落を始めた場合の売りタイミングについて説明します。

まず、モメンタム投資においては、株を買うときに、あらかじめロスカット(損切り)のラインを決めておかなければいけません。

「8%下がったら売る」など、あらかじめロスカット(損切り)するラインを決めておくことで、自分の読みが外れたときのリスクを管理するのです。

ここで大切なのはリスク量(自分の損失)を管理することです。

そのため、そのトレードで損をしていい金額を考えて、うまく損切りラインとポジションの量を決めることになります。

たとえば、10万円まで損失を許せるのであれば、

  • 損切りラインが20%なら50万円まで
  • 損切りラインが10%なら100万円まで

買いポジションを建てられるということです。

(株式ではありませんが)ビットコインのように値動きが激しいもので、あまり損切りラインを浅くすると、ちょっとした上下の振れで損切りラインに達してしまうような場合には、損切りラインを深め(20%)と設定したい場合もあるでしょう。

その場合も、買うときに量を少なめにすることで、全体としてのリスクを管理することができるのです。

まとめポイント
  • モメンタム投資は、チャートを見ながら売買するスタイル。
  • 初動で思い通りに株価が上昇した場合は、「ダブルトップ」や「トレンドライン分析」でモメンタムが終わったと判断したら売る。
  • 初動で予想に反して株価が下落した場合は、あらかじめ決めておいた損切りラインで売る。

ファンダメンタルズ投資の場合

キャプテン
続いて、ファンダメンタルズ分析の売りタイミングを説明するぞ!

ファンダメンタルズ投資とは

ファンダメンタルズ投資とは、チャートを見るのではなく、その企業の本質的な価値を計算したうえで、売買判断を行う投資スタイルです

ファンダメンタルズ投資の中でも有名なのは、本質的価値に対して明らかに価格が低いものを買う「バリュー投資」です。

バリュー投資では、たとえば企業価値から計算した一株あたりの価値は10,000円なのに、株価が6,000円で放置されていれば、その株式は割安だから「買い」だという判断になります。

企業価値を判断するためには、基本的には将来キャッシュフローを金利で割り引いてやれば算出することができます。株価とは、将来キャッシュフローの割引現在価格の和であるという概念がわからない場合は、まずはファイナンスを勉強する必要があります。もしくは、純資産から企業価値を計算する方法もあります。

このようにファンダメンタルズ投資では、企業の価値を計算しなければいけないため、決算資料や財務諸表が読めて、ビジネスモデルやファイナンスを理解していなければ、実践できません。その意味では、やや上級者向けの投資方法といえます

また、ファンダメンタルズ投資を行う場合には、逆張り的な買い方になる場合も多いため、忍耐力や精神力も必要です。

株を売るタイミング

さて、それではファンダメンタルズ分析においては、どのようなタイミングで株を売るべきなのでしょうか。

大前提として、一株あたりの本質的な価値を計算できているため、その本質的な価値と現在の株価の関係性から売りのタイミングを判断することになります。

(1)本質的な価値まで戻ったら売る

バリュー投資では、割安に放置されている株を買っておいて、それが本来の価値まで戻ったら売るという方法で儲けることができます。

これは、ウォーレン・バフェットが初期に「シケモク投資」と呼んで、よく行なっていた投資方法です。

たとえば、10,000円の価値がある株式が6,000円で売られていたら、それを買っておいて、10,000円まで戻ったタイミングで売るという考え方です。

(2)適正価格よりも大幅に上昇したら売る

ファンダメンタルズ投資において、割安の銘柄を探すバリュー投資ではなく、今後も成長を続けるであろう優良銘柄を長く持ち続けるような投資方法もあります。

これは、バフェットが途中から行うようになった投資方法で、今のバフェットのポートフォリオを支えるアメリカン・エキスプレスやコカ・コーラなどが、こうした投資に該当します。

さて、今後も成長を続けるであろう優良な銘柄を適正な価格で買った場合、基本的には持ち続けていればよくて、売る必要がないことがお分かりいただけるかと思います。

そのため、バフェットは「我々の望む株式の保有期間は永遠です」と発言したことがあります。

そんなバフェットでも、しぶしぶと株を売るタイミングがあります。それは、株価が本来の価値よりも大きく乖離して上昇してしまった場合です。

10,000円の価値があると計算した株式が、20,000円になったら、さすがに売らざるを得ないというわけです。

(3)ファンダメンタルズの前提が変わったら売る

最後に、ファンダメンタルズの前提が変わったために、計算が変わってしまった場合には、売らなければいけません。

たとえば、もともとは株価の本来的な価値を10,000円だと計算して、8,000円で買っていたけれども、その企業が行なっている事業において競合が増えてきたために、当初の想定よりも利益が出なくなったという場合などが、このパターンに該当します。

ファンダメンタルズの前提が変わったのであれば、再度、その銘柄の本質的な価値を計算しなおす必要があります。

もう一度、計算しなおした結果、その価値が6,000円まで下がっていたのなら、8,000円でも既に割高だということになります。

このように、ファンダメンタルズの前提が変わって、その結果として本質的な価値も変わってしまった場合には、適切に計算しなおして、売買の判断を改める必要があります。

まとめポイント
  • ファンダメンタルズ投資は、株式の本質的な価値を計算して、現在の株価と比較しながら売買するスタイル。
  • 割安で取得した株価が本来の価値まで戻ったら、あるいは適切な価格で買った成長が見込める株式があまりに割高になったら売る。
  • 株式の本質的な価値を計算した際の大前提が変わった場合には、再度、本質的な価値を計算しなおして、必要に応じて売る。

配当目当ての投資の場合

キャプテン
最後は、配当目当ての投資の場合を説明させてもらおう!

配当目当ての投資とは

最後のパターンは、配当によるインカムゲインを目当てに投資をしている場合です。

ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来〜永続する会社が本当の利益をもたらす』で、連続増配株に投資をして、配当を再投資することで、インデックス投資を上回るパフォーマンスを残すことができると示されたことによって、連続増配株や高配当株への投資が人気です。

配当目当ての投資のメリットは、安定して配当を受け取ることで、株価の上下動に気を揉む必要がないことです。

株を売るタイミング

さて、それでは配当を目当てに投資をしている場合、株を売るタイミングはいつが適切なのでしょうか。

原則は永久保有

先に結論を言ってしまいますが、本当に配当を目当てに投資をしているのであれば、原則として株式を売る必要はありません

なぜなら、配当自体が、そもそも部分的な利益確定になっているからです。

本来、企業が利益を出すと、それは利益剰余金として企業のバランスシートの純資産の部に取り込まれ、株価を押し上げます。配当を出さない企業の株式を保有している場合は、このように企業が得た利益は、株価の上昇という形で反映されるため、どこかで株式を売らなければ投資家はリターンを得ることができません。

一方で、配当をしっかりと出す成熟した企業というのは、この利益を配当という形で、既に投資家に還元していることになります。

なので投資家からすると、株式を売らなくても、持っているだけで、継続的に利益を確定していることになるのです

配当の継続性に疑いが出たら売る

「原則として」売らなくてもいいと書いたのには理由があります。

それは、配当の継続性に疑いが出たときには、売らなければならないからです。

配当を目当てに投資をする場合、通常は過去何十年にも渡ってしっかりと配当を出してきた成熟企業の株を買うのが一般的です。それは、その企業が配当を出し続けてきたという実績こそを信用すべきだからです。

もしも、その企業がいきなり経営方針を変えて、配当を出さずに事業投資に回しはじめたら、その企業の株は売ってしまうべきでしょう。

最初に書いたように、投資スタイルによって買う理由は異なります。

配当によるインカムゲインを目的に、配当を出し続けてくれる企業を買っていたのだから、その企業が配当を出さなくなった、あるいは出せなくなったのであれば、迷わずに売却して、他の配当を出してくれる株式に乗り換えるのが、正しい投資家の姿です。

まとめポイント
  • 配当目当ての投資とは、企業から支払われる配当によるインカムゲインを目当てにした投資スタイルだ。
  • 企業が、自分が望む額の配当を出し続けている場合、基本的に株を売る必要はない。
  • もしも、配当の継続性に疑いが出たときには、売るべきである。

株を売り損ねないために大事なこと

キャプテン
投資スタイルがブレると、売りのタイミングを逃すという話をするぞ!

さて、ここまで3つの投資スタイルと、それぞれについて株を売るタイミングを説明してきました。

最後に大切なことを一点書いておきたいと思います。

それは「株を買ったときの投資スタイルを貫く」ということです。

たとえば、モメンタム投資のつもりでチャートを見ながら買ったのに、株価が下がったとたんに「これはバリュー投資だから、株式を持ち続けるぞ」と投資スタイルを変えてしまうと、そのまま塩漬けになって終わってしまうことでしょう。

これは多くの初心者の投資家がやってしまう過ちで、絶対に避けなければなりません。

株を買ったときの投資スタイルに基づいて、売りどきが来たら株を売ることが大切です。

その点を肝に命じていただいて、今回はここまでとしたいと思います。

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  • ジム・クレイマーに学ぶ、株を売るタイミング7選! へ返信する コメントをキャンセル

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