スターバックスの株価は割安ではない?ネスレとの提携などで成長が持続するコーヒーチェーン。

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キャプテン資本主義
どうも、キャプテンです!

ざっくりいうと

キャプテン
  • スターバックス(SBUX)は、シアトル発の世界的なコーヒーチェーンだ。
  • 現在でも売上は年間10%程度の成長を続けている。「スターバックス・リワード・プログラム」や中国での出店、ネスレとの提携など、様々な工夫によって成長が維持されているぞ。
  • 想定が難しいが、現在の株価は今後5年間のFCFPS成長率が年率+14%、その後のFCFPS成長率が年率+6.5%くらいの数値を織り込んでいると考えられる。これは少し割高ではないかと思う。
  • ただし、スターバックスのような成長企業の将来キャッシュフローを正確に予測することは難しく、あくまでも試算であることは理解してほしい。

スターバックス(SBUX)とは

スターバックスは、ハワード・シュルツがイタリアのエスプレッソに惚れ込んで、美味しいエスプレッソベースのコーヒーを提供するために始めたコーヒーチェーンです。

「スターバックス」というコーヒー店自体は、実はハワード・シュルツとは別人が開業したものでしたが、ハワード・シュルツはこのコーヒーショップを買収して、自身のエスプレッソベースのコーヒーブランドとして利用しました。

この「エスプレッソベースのコーヒーを様々にカスタマイズする」というスタイルは、従来のアメリカンコーヒーとは美味しさが段違いだったため、「シアトル系コーヒー」としてアメリカや世界を席巻しました。

現在では、世界で約3万店舗が運営されています。

スターバックスの成長余地

米国

米国では、既に多くの店舗を出店しているため、既存店舗売上高をどう上げていくかということがポイントになります。

ここ最近、スターバックスは毎四半期の決算において、前年比+3%〜+4%の既存店舗売上高を達成しています。

既存店舗売上高の成長を支えている、いくつかの要因を記載しておきます。

まず、購入した金額に応じてスターが貯まり、スターを貯めると特典が得られる「スターバックス・リワード・プログラム」が順調です。「スターバックス・リワード・プログラム」の会員は、前年比+10%台のペースで増え続けており、既に1700万人規模になっています。

それに加えて窒素を加えたマイルドな味わいの「ナイトロ コールド ブリュー コーヒー」が人気です。また、ドライブスルーの充実、商品の配達事業のテストなど、様々な工夫が行われています。

さらに、在庫管理などの従来は店員が行なっていた業務の自動化を進めることで、店員が接客に割く時間を増やすような施策も行われています。

中国

中国では、まだまだ新規店舗出店の余地があるため、店舗数を増やすことが主な戦略となっています。FY2019では、中国だけで約600店舗を増やすことが予定されています。

また、中国で圧倒的な存在感を持つテック企業のアリババグループと連携して、コーヒーやフードを配達する事業も行なっています。

ネスレとの提携

スターバックスは、そのブランド力にレバレッジをかけるために、2018年にネスレと提携を行いました。

ネスレは、スターバックスブランドのコーヒーを家庭用やオフィス用として販売する権利を得て、これらを販売します。

スターバックスは、既にネスレからライセンス費としての7.15Bドルは受け取っていますが、今後ネスレを通じたスターバックスコーヒーの売上が増えれば、これもスターバックスの売上増加に繋がります。

スターバックス(SBUX)の業績

売上と営業キャッシュフロー

売上と営業キャッシュフローを見てみましょう。

スターバックスの売上と営業キャッシュフロー

以下、実数値です。

▼実数値FY
2009
FY
2010
FY
2011
FY
2012
FY
2013
FY
2014
FY
2015
FY
2016
FY
2017
FY
2018
売上9.8Bドル10.7Bドル11.7Bドル13.3Bドル14.9Bドル16.4Bドル19.2Bドル21.3Bドル22.4Bドル24.7Bドル
売上成長率10%9%13%12%11%17%11%5%10%
営業CF1.4Bドル1.7Bドル1.6Bドル1.8Bドル2.9Bドル0.6Bドル3.7Bドル4.7Bドル4.3Bドル11.9Bドル
営業CF成長率23%-5%9%66%-79%517%25%-9%181%
営業CF率14%16%14%13%20%4%20%22%19%48%

スターバックスの売上は平均してみると前年比+10%程度の成長を続けています。

FY2018の営業キャッシュフローについては、ネスレとの提携で得た7.15Bドルが含まれているため、一時的な数値であると考えた方が良いのですが、平時においても基本的には約15%〜20%程度の営業キャッシュフローマージンを確保していることが分かります。

フランチャイズではなく、直営店舗の運営でありながら、この営業キャッシュフローマージンを確保できているのは、スターバックス・ブランドの強さのおかげでしょう。

キャッシュフローの推移

続いて、キャッシュフローの推移も見ておきたいと思います。

スターバックスのキャッシュフロー推移

以下、実数値です。

▼実数値FY
2009
FY
2010
FY
2011
FY
2012
FY
2013
FY
2014
FY
2015
FY
2016
FY
2017
FY
2018
営業CF1.4Bドル1.7Bドル1.6Bドル1.8Bドル2.9Bドル0.6Bドル3.7Bドル4.7Bドル4.3Bドル11.Bドル
設備投資-0.4Bドル-0.4Bドル-0.5Bドル-0.9Bドル-1.2Bドル-1.2Bドル-1.3Bドル-1.4Bドル-1.5Bドル-2.0Bドル
ざっくりFCF0.9Bドル1.3Bドル1.1Bドル0.9Bドル1.8Bドル-0.Bドル2.4Bドル3.3Bドル2.7Bドル10.Bドル

FY2018については、同様にネスレとの契約による一時金が含まれた数値のため、平時の営業キャッシュフローを4B〜5B程度であると仮定すると、平時のフリーキャッシュフローはざっくりと2B〜3.5B程度であると計算できます。

成熟した大企業と比べると、まだまだ営業キャッシュフローに占める設備投資の割合が大きくなっていますが、中国を始めとして世界中で新規出店を続けている段階の成長企業であることを考えると、十分なフリーキャッシュフローが生み出されていると言えるでしょう。

スターバックス(SBUX)の株価は割安?

スターバックスの株価

スターバックスの年初来株価

スターバックスの株価は、直近、急上昇を続けています。

年初に60ドル程度であった株価は、既に90ドル近くに達しています。これは半年で+50%の上昇です。

それでは、現在のスターバックスの株価は既に割高なのでしょうか?それとも、まだ割安だと言えるのでしょうか。

フリーキャッシュフローによるバリュエーション

まずは、フリーキャッシュフローの観点から見てみたいと思います。

スターバックスの1株あたり業績

FY2018については、ネスレとの契約による一時金の影響を取り除くと、FCFPSは2.15ドル程度となります。

さて、過去10年でFCFPSが0.64ドルから7.20ドルまで成長しているので、年率で換算すると、だいたい年+14%程度で成長してきたことになります。

この成長が今後5年は続き、その後は年率5%程度の成長に止まるという前提で、将来キャッシュフローの現在割引価値を計算してみましょう。

まず、2019年〜2023年の5年間のフリーキャッシュフローを計算します。

割引率を10%、2023年までのFCFPS成長率を14%とすると、各年のFCFPSは以下の表のようになります。

FCFPS現在割引価値
2018年2.22.2
2019年2.52.2
2020年2.82.3
2021年3.22.4
2022年3.62.5
2023年4.22.6
2024年4.42.5

2019年から2023年のFCFPSの現在割引価値を合計すると12ドルとなります。

続いて、2024年以降のFCFPSの現在割引価値を計算します。

2024年以降のFCFPSの現在割引価値

= 2024年のFCFPSの現在割引価値 / (割引率 – 2024年以降のFCFPS成長率)
= 2.5ドル / (10% – 5%)
= 50ドル

よって、フリーキャッシュフローに基づく株価のバリュエーションは、2.2ドル + 12ドル + 50ドル = 64.2ドルとなります。

現在のスターバックスの株価は89.77ドルなので、上のような想定であれば割高であるということが出来そうです。

さて、それでは現在のスターバックスはどのくらいの成長率を織り込んでいるのでしょうか。

2024年以降のFCFPS成長率を年率+5%ではなく、年率+6.5%とした場合には、以下のように71.4ドルとなるので、2.2ドル + 12ドル + 71.4ドル = 85.6ドルとなり、おおよそ現在の株価水準となります。

2024年以降のFCFPSの現在割引価値

= 2024年のFCFPSの現在割引価値 / (割引率 – 2024年以降のFCFPS成長率)
= 2.5ドル / (10% – 6.5%)
= 71.4ドル

つまり、現在のスターバックスの株価は、今後5年のFCFPS成長率が年率+14%、その後のFCFPS成長率が年率+6.5%程度であると思う場合には、妥当な株価水準であると言えます。

配当によるバリュエーション

続いて、スターバックスの株主還元状況も見ておきましょう。

スターバックスの株主還元の状況

スターバックスは2010年から配当の支払いを始めており、2010年から2018年の間は年率+28.6%程度のペースで増配を続けています。

もう少し控えめに見積もって、今後5年間は年率+25%、その後は年率+5%の増配率になると仮定すると、以下のようにバリュエーションできます。

まず、2018年〜2023年の配当の現在割引価値は11.1ドル。

DPS現在割引価値
2018年1.31.3
2019年1.71.5
2020年2.11.7
2021年2.61.9
2022年3.22.2
2023年4.02.5
2024年4.22.4

2024年以降の配当の現在割引価値は、4.2ドル / (10% – 5%)で48ドル。

合計すると、11.1ドル + 48ドル = 59.1ドルとなり、現在の株価は割高であると計算できます。

ただし、スターバックスのような現在進行形の成長企業となると、架空の想定数値を元にバリュエーションの計算をしていることになるので、あまり当てにならない気がします。

スターバックスの株価は割安なのか

以上から、あくまでも想定の数値をベースに計算した感覚値ですが、現在のスターバックスの株価は少し割高なのではないかと思います。

個人的には、もしも現在の業績を前提として、60ドル台まで落ちるようなタイミングがあれば拾ってもいいのかなと考えています。ただ、チャート的には最高値を更新してモメンタムがあるので、目先でそこまで落ちてくる可能性は低いかもしれません。

さて、今回スターバックスを考察してみましたが、改めてグロース株をバリュエーションして投資するのは難しいなということを実感しました。

それでは。

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