高配当株フィリップ・モリス(PM)の株価は割安。タバコ産業の衰退が背景に。

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キャプテン資本主義

どうも、キャプテンです!

投資好きな20代サラリーマン。

インデックス投資と米国株で700万円ほど運用しています。

ざっくりいうと

キャプテン
  • フィリップ・モリスは、アメリカ以外でタバコの製造・販売を行なっている大企業。マールボロやラークなど、有名なタバコブランドをいくつも抱えている。
  • フィリップ・モリスの経営状況はピカピカで、平時には毎年$7B〜$9B程度のフリーキャッシュフローを生み出しているぞ。
  • 現在の株価で購入した場合、期待リターンは年率10%〜11%程度と見込まれる。(FCFPSから計算した期待リターンは年率11.3%、配当から計算した期待リターンは年率9.6%)
  • フィリップ・モリスの株価は、割安な水準となっている。割安な背景としては、タバコ産業の衰退が嫌気されているが、明日にもタバコ産業がなくなる訳ではないので、あまり遠い将来を悲観する必要はないのでは。

 

フィリップ・モリスとは

フィリップ・モリス・インターナショナル

 

世界的なタバコ企業

フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は、アメリカ合衆国を除く全世界でタバコを製造・販売している企業です。

フィリップ・モリスが製造・販売しているタバコブランドとしては、以下のようなものがあります。

フィリップ・モリスのタバコ銘柄

  • マールボロ(Marlbolo)
  • ラーク(L&M)
  • チェスターフィールド(Chesterfield)
  • フィリップ・モリス(PHILIP MORIS)
  • パーラメント(PARLIAMENT)

また、紙巻タバコ以外にも、以下のような製品を展開しています。

フィリップ・モリスの非紙巻タバコ製品

  • アイコス(IQOS)
  • ソラリス(SOLARIS)

 

アメリカ以外で事業を展開する理由

どうしてアメリカ以外で事業を展開しているのかというと、以下のような経緯があります。

フィリップ・モリスの企業再編

2003年 フィリップ・モリス・カンパニーズが、アルトリア・グループに社名変更

2008年 アルトリア・グループの国際部門がフィリップ・モリス・インターナショナルをスピンオフ

つまり、元々はフィリップ・モリス・カンパニーズという全世界でタバコを製造・販売する企業でしたが、アメリカ国内についてはアルトリア・グループに、アメリカ以外についてはフィリップ・モリス・インターナショナルに分割されたというわけです。

そのため、フィリップ・モリスは米国企業でありながら、その配当に現地課税がありません。米国株の数少ないデメリットである二重課税が発生しないということです。

二重課税とは?

通常、米国株の配当や売却益には、アメリカと日本で二重課税が発生します。具体的には、アメリカで10%の税金が掛かった後に、日本で20%程度の税金が掛かります。

 

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フィリップ・モリスの業績

フィリップ・モリス・インターナショナルの業績を見ておきましょう。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

phillip morris PM

【PM】フィリップ・モリス:株価・銘柄分析・決算・業績と配当

2019年10月20日

 

まずは、売上高と本業の儲けを示す営業キャッシュフローです。

フィリップ・モリスの売上と営業キャッシュフロー

フィリップ・モリスの売上は年間$30B前後で安定しています。

また、営業キャッシュフローは基本的に売上の30%以上で推移しており、めちゃくちゃ利益率が高い事業であることが分かります。

続いて、設備投資の状況です。

フィリップ・モリスのキャッシュフロー

年間で$8B〜$10B程度の営業キャッシュフローに対して、設備投資は$1B程度に収まっており、平時には毎年ざっくりと$7B〜$9B程度ものフリーキャッシュフローが生み出されることが分かります。

このキャッシュは、新興タバコブランドなどが競合企業として出てきた場合に買収する資金として使うこともできますが、特に使い道がなければ自社株買いや配当を通じて、株主に還元されます。

全体として、フィリップ・モリスは非常に安定感のある企業だということが分かります。

 

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フィリップ・モリスの株価は割安?

続いて、フィリップ・モリスの現在の株価である79.22ドルは、割高なのか割安なのかということを考えてみたいと思います。

フィリップ・モリスの株価チャート

 

フリーキャッシュフローに基づくバリュエーション

以下は、フィリップ・モリスの業績を1株あたりの数値に計算しなおしたものです。

フィリップ・モリスの1株あたり数値

2018年の1株あたりキャッシュフロー(FCFPS)は、5.17ドルとなっています。

また、過去10年のFCFPS成長率は平均すると約4.8%程度となります。

割引率を10%として、これらの数値から将来フリーキャッシュフローの現在割引価値を求めてみましょう。

将来キャッシュフローの現在割引価値

= FCFPS / (割引率 – FCFPS成長率)
= 5.17ドル / (10% – 4.8%)
= 99.4ドル

このバリュエーションを採用した場合、現状の株価である79.22ドルはざっくりと20%程度割安であると考えることができます。

現状の株価でフィリップ・モリスに投資した場合に、どの程度の想定リターンになるかも見ておきます。

期待リターン

= FCFPS / 株価 + FCFPS成長率
= 5.17ドル / 79.22ドル + 4.8%
= 約11.3%

以上から、想定される期待リターンは約11.3%程度となりそうです。

さて、FCFPS成長率として4.8%を使った場合に、現在の株価が割安であるということは、マーケットはフィリップ・モリスのFCFPS成長率がそれよりも低い値になることを織り込んでいると考えることもできます。

それでは、現在のマーケットは、フィリップ・モリスの今後のFCFPS成長率が何%程度になることを織り込んでいるのでしょう?

現在の株価 79.22ドル

= FCFPS / (割引率 – FCFPS成長率)
≒ 5.17ドル / (10% – 3.5%

以上から、現在の79.22ドルは、今後のフィリップ・モリスのFCFPS成長率が3.5%程度であることを織り込んだ株価であると考えることができます。

つまり、フィリップ・モリスのFCFPS成長率が3.5%を上回ると思う場合は、現在の株価は割安であり、3.5%を下回ると思う場合は、現在の株価は割高であるということになります。

 

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配当に基づくバリュエーション

続いて、株主に支払われる配当を基にしたバリュエーションも見てみたいと思います。

以下は、フィリップ・モリスの過去10年間の株主還元の状況です。

フィリップ・モリスの株主還元

フィリップ・モリスの2018年の1株あたり配当(DPS)は4.49ドルでした。

また、過去10年間の増配率は平均して8.1%でした。

しかし、配当性向が過去10年で、61%から87%まで増加していることを考えると、今後も同様のペースで増配をするのは難しいのではないかと予想されます。

そこで、今後の増配率をざっくりと過去10年の半分程度である4%と見積もって計算してみましょう。

将来配当の現在割引価値

= DPS / (割引率 – 増配率)
= 4.49ドル / (10% – 4%)
= 74.8ドル

現在の株価である79.22ドルよりも少し低くなりました。

想定される期待リターンも計算しておきます。

期待リターン

= DPS / 株価 + 増配率
= 4.49ドル / 79.22ドル + 4%
= 約9.6%

今後の増配率が4%程度である場合、想定される期待リターンは年率9.6%程度となります。

 

バリュエーションのまとめ

フィリップ・モリスの株価は割安

現在の株価で購入した場合の期待リターンは9.6%〜11.3%程度となりそうです。

これは、S&P500にインデックス投資した場合の期待リターンが平均して約7%程度であることを考えると、フィリップ・モリスの株価が割安で魅力的な水準であることを示していると思います

割安な状況についての補足説明

さて、どうして割安な水準になっているのかを書いておきたいと思います。

現在、先進国は世界的に健康ブームであり、タバコの消費本数は年々減っています。言い換えると、タバコは衰退産業であると考えられているわけです。

そんな中でもフィリップ・モリスの売上が安定しているのは、フィリップ・モリスがタバコを値上げしてきたからです。消費本数が減っても、1本あたりの価格を上げていけば、売上自体は減らないというわけです。

しかし、もしもタバコが衰退産業なのであれば、こうして業績を保つことにも限界があるでしょうし、今後の成長に陰りが出ることも想定されます。

そのような理由で、フィリップ・モリスに限らず、タバコ関連企業の株価は現在あまりパッとしない状況が続いています

とはいえ、直近の業績は上で見たようにピカピカであり、効率よくフリーキャッシュフローを稼ぎ出しているのは紛れもない事実です。

考えてみると、別に明日にも世界からタバコがなくなる訳でもありませんし、発展途上国では紙巻タバコは引き続き消費されています。発展途上国が経済成長すると、これらの地域での値上げ余地も生まれてきます。

また、フィリップ・モリス自体もアイコスなど紙巻タバコ以外のプロダクトを育てており、長期的には紙巻タバコのビジネスを縮小していく計画です。

そう考えると、あまり遠い将来まで想定して悲観的になる必要もなく、素直に割安な水準であれば購入して良いのではないかと、個人的には思います。

 

その後の株価分析はこちら。

【PM】フィリップ・モリスの株価は割安?(2020年2月@89.44ドル)

2020年2月12日

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