IBMの2019年1Q決算メモです。
2018年までの年間業績の分析はこちら
IBMの2019年1Q決算まとめ
IBMの決算数値
EPS:○ 売上:× ガイダンス:○
IBMの2019年1QにおけるEPSは$2.25で、コンセンサスを$0.01上回りました。
IBMの2019年1Qにおける売上は$18.2Bで、コンセンサスを$330M下回りました。前年同期比では-4.7%と減少しました。
今年度のガイダンスは、EPSで$13.90という数字のままで、見通しの変更はありませんでした。
決算のポイントは?
IBMの2019年1Q決算は、EPSがアナリストのコンセンサスを上回ったものの、売上はアナリストのコンセンサスを下回りました。
カンファレンスコールの説明では、売上が前年同期比で減少した要因は為替の影響であり、為替の影響を除くと横ばい(1%以内の減少幅)であるとカンファレンスコールでは説明されています。
IBMが力を入れているクラウドは、YoYで+10%ほど成長しており、年間$20Bに迫る規模となってきました。これはIBMの売上の約4分の1となっています。
本年度のガイダンスとしては、引き続きEPSで$13.90という数値が示されており、FCFでは$12B程度に着地する見込みです。
セグメント別の解説
主要なセグメントの売上は以下の通りでした。
- クラウド&AI事業:$5B(-2% YoY)
- コンサル事業:$4.1B(flat YoY)
- テクノロジーサービス事業:$6.9B(-7% YoY)
- システム事業:$1.3B(-11% YoY)
IBMは最近たびたびセグメント構造を入れ替えており、セグメント別の業績推移が分かりにくくなっていますね。
クラウド&AI事業
このセグメントは、現在IBMが最も力を入れているパブリック・クラウドを擁するセグメントであり、IBMの今後を担うセグメントです。
クラウドの売上はYoYで10%(為替の影響を除くと12%)成長しました。
また、クラウドの中でも「as a Service」と呼ばれるパブリック・クラウド系のサービス群がありますが、こちらもYoYで10%成長して、ARRが$11.7Bとなりました。
「Cognitive Solutions」と呼ばれるワトソンを用いたAI事業の売上はYoYで1.5%の減少となっており、今後の成長はあまり期待できそうにありません。
AI事業がパッとしない中で、クラウドがどこまで伸びていくか、引き続きウォッチが必要です。
コンサル事業
コンサル事業はフラットでした。
テクノロジーサービス事業
ハイブリッド・クラウドの導入支援などを行うテクノロジーサービス事業は、YoYで-7%となっており、やはりプライベート・クラウドやハイブリッド・クラウドは下火なのかなという気がします。今後が気になるところです。
システム事業
システム事業は、メインフレームの販売周期に伴う季節性とストレージ販売の不振によってYoYで11%の減少となっています。
こちらのセグメントは既に規模も小さく、縮小産業なので、あまり気にする必要はないと思います。
2019年1Q決算の感想
業績自体は横ばい気味でパッとしないですが、その内訳をみると、ハイブリッド・クラウドやシステム事業から、パブリック・クラウド事業へと、業態転換は順調に進んでいます。
ただAI分野(Cognitive Solutions)が減少しているのは、ちょっと気になるところです。
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どうも、キャプテンです!
投資好きな20代サラリーマン。
インデックス投資と米国株で1700万円ほど運用しています。