高配当株IBMは業績横ばいの不人気IT企業だが、株価はやや割安〜フェアバリューだと思う。

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キャプテン資本主義

どうも、キャプテンです!

投資好きな20代サラリーマン。

インデックス投資と米国株で700万円ほど運用しています。

ざっくりまとめ

キャプテン
  • IBMは世界を代表する老舗の大手IT企業だ。1990年代にはメインフレーム事業の不振をコンサル事業の育成によって立て直したぞ。
  • 現在は、パブリック・クラウドやS.a.a.Sの流れに乗り遅れたため、業績は横ばいだが、業態転換は進んでいる。
  • 現在の株価で購入した場合、期待リターンは年率10%程度と見込まれる。(FCFPSから計算した期待リターンは年率9.5%、配当から計算した期待リターンは年率10.5%)
  • S&P500に投資した場合のリターンが7%程度であることを考えると、やや割安〜フェアバリュー程度だと言えるだろう

IBMとは

IT業界の老舗企業

IBMとは、世界を代表する老舗コンピューター企業です。

まだインターネットがないどころか、コンピューターといえばメインフレームだった時代から存在しています

1990年代には、オープンシステムの流行りによって、メインフレーム・コンピューター事業が衰退しますが、コンサル事業を第二の収益柱に育てて、経営を立て直してきた経緯があります。

2000年代に入ると、ソフトウェアの販売事業を中心として業績を伸ばしてきましたが、またまたS.a.a.S(Software as a Service)の流れに乗り遅れて、直近は業績がパッとしない状況が続いています。

また、IBMはテック系(と呼んでいいのか分かりませんが)では珍しい高配当株であり、19年連続で増配している連続増配株でもあります。

IBMの事業セグメント

IBMには、主に4つの主要な事業セグメントがあるので、一応さらっておきましょう。

(1)AI事業(Cognitive Solutions)

人工知能ワトソンに関する事業セグメントです。

IBMは「人工知能」や「AI」という呼び方をせずに「コグニティブ・コンピューティング」という言い方をしていますが、内容はいわゆるAI事業です。

AI事業の業績(2018年)

売上$18.48B、粗利$14.32B

(2)コンサル事業(Global Business Services)

IBMは、コンサルティングに加えて、顧客のオペレーションの一部をアウトソーシングで請け負うような事業も行っています。

1990年代に、当時IBMの主力事業であったメインフレーム事業が不振に陥った際に、経営再建にあたったCEOのルイス・ガートナーが2本目の柱に育て上げました。

労働集約的な事業であるため、以下の数値だけをみると利益率も低く、経営効率が悪そうに思われますが、AIやクラウドを企業に利用してもらうための入り口にもなる事業です。

コンサル事業の業績(2018年)(2018年)

売上$16.82B、粗利$4.19B

(3)クラウド&テクノロジー事業(Technology Services & Cloud Platform)

クラウド事業は、IBMが現在、最も力を入れている分野です。

IBMのクラウドは、企業が自身のデータセンターをクラウド化する「プライベート・クラウド」を中心にビジネスを展開してきましたが、世の中的にはAWSやAzureのような「パブリック・クラウド」が定着してきています。

簡単にいうと、IBMは流行るクラウドの種類を読み違えたというわけです。この読み違いによって、IBMの業績はパッとしない状況が続いています。

IBMのクラウドの売上は年間$19B程度であり、成長率は年12%程度です。

クラウド&テクノロジー事業の業績(2018年)

売上$34.46B、粗利$13.89B

(4)システム事業(Systems)

システム事業は、メインフレーム事業などを含んでおり、かつてはIBMの主力事業でしたが、現在はどんどん縮小しています。

2010年代には、サーバー部門がLenovoに売却され、半導体事業もグローバル・ファウンドリーズという会社に譲渡しています。

システム事業の業績(2018年)

売上$8.03B、粗利$4.27B

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IBMの業績

さて、IBMの業績を見ていきたいと思います。

IBMの売上と営業キャッシュフロー

IBMの売上は2011年をピークに下落が続いてきましたが、直近は横ばいになっています。

2011年以降の売上の下落は、業態転換に伴って、システムセグメントを縮小してきたことに由来しています。

その結果として、売上は年間$80B弱まで下がっていますが、営業キャッシュフロー率は21%程度に改善しています。

IBMのキャッシュフロー

IBMの設備投資は、年間$15B〜$17Bの営業キャッシュフローに対して、$4B前後に抑えられており、結果として毎年ざっくりと$13B程度のキャッシュフローが生まれています。

これらのキャッシュは、株主還元の他に、IBMがクラウド領域において先行するAWSやAzureに追いつくためのM&Aなどに利用されています。

例えば、2018年には$34Bほどを使ってRedHatというS.a.a.Sの企業を買収しています。

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IBMの株価は割安?

続いて、IBMの現在の株価は割安なのかを計算してみたいと思います。

2019年6月14日のIBMの株価は135.76ドルとなっています。

IBMの株価

フリーキャッシュフローに基づくバリュエーション

IBMの1株あたり業績

以上は、IBMの1株あたりに換算した業績です。

直近では、1株あたりキャッシュフロー(FCFPS)は、概ね13ドル前後で横内の状態が続いています。

そこで、FCFPSを13ドル、成長率を0%(無成長)と仮置きして、割引率10%で将来フリーキャッシュフローの現在価値を計算してみると、以下のようになります。

将来キャッシュフローの現在価値

= FCFPS / (10% – FCFPS成長率)
= 13ドル / 10%
= 130ドル

ということで、現在の株価である135.76ドルは、概ねフェアプライスであると言えるでしょう。

現在の株価で購入した場合の期待リターンも計算しておきましょう。

期待リターン

= FCFPS / 株価 + FCFPS成長率
= 13ドル / 135.76ドル + 0%
= 9.57%

ということで、ざっくりと年率9.5%程度のリターンが期待できそうです。

配当に基づくバリュエーション

IBMの株主還元状況

続いて、株主に支払われる配当から株価の割安・割高を計算してみたいと思います。

2018年の1株あたり配当(DPS)は6.21ドルでした。

また、過去10年の増配率は、年率12.58%となっています。過去10年で、配当性向が17%〜50%まで増加していることを考えると、今後も同様のペースで増配していくのは難しいものと思われます。

では、どのくらいの増配率であれば現実的なのかというのは、すごくロジックが難しいのですが、ここでは一旦半分程度の6%と置いてみたいと思います。

そうすると、将来配当の現在割引価値は、以下のように計算することができます。

将来配当の現在割引価値

= 配当 / (10% – 増配率)
= 6.21ドル / (10% – 6%)
= 155.25ドル

増配率を6%と置いた場合は、現在のIBMの株価はやや割安だと判断できそうです。

現在の株価で購入した場合の期待リターンも計算しておきましょう。

期待リターン

= 1株あたり配当 / 株価 + 増配率
= 6.21ドル / 135.76ドル + 6%
= 10.57%

期待リターンは10.57%程度となっています。

増配率の部分を6%と仮置きしているため、その部分について意見が違う方は、ご自身の想定されている増配率を代入して、期待リターンを計算してみてください。

バリュエーションのまとめ

現在のIBMの株価は、やや割安〜フェアバリューであると言えると思います。

期待リターンは、フリーキャッシュフローをベースに考えると年率で約9.5%程度、配当をベースに考えると年率で約10.5%程度と計算できました。

これはS&P500にインデックス投資した場合の平均が7%程度に収束することを考えると、少し上回っています。

 

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