株の配当利回りとは?平均や注意点を解説。

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ざっくりいうと

キャプテン
  • 配当利回りとは、配当から得られるリターンの期待値を表す指標だ。計算方法は、1株あたり配当を株価で割ることで求められるぞ。
  • 平均的な配当利回りは2%程度だ。一般的には配当利回りが3%以上あれば、リターンとしては十分だと言えるだろう。
  • ただし、配当利回りが3%以上だったとしても、その額の配当が継続的に支払われるのか注意する必要があるんだ。そのためには「フリーキャッシュフローの推移」と「配当性向」を確認するといいぞ。

配当利回りとは

配当利回りの計算方法

配当利回りとは、その株式が割安か割高かの判断に用いることができる指標のひとつです。

具体的には、その企業の株を1株買った場合に、年間で何%のリターンを配当から得られるかを表しています。

配当利回りの計算式

配当利回り = 1株あたり配当 ÷ 株価

実際に配当利回りを計算してみよう

さて、配当利回りを実際に計算してみましょう。

今回は例として、花王の数値を用います。

花王の配当利回りを計算してみよう

  • 株価は8,814円
  • 2019年の1株あたり年間配当は130円(会社予想)

さて、先ほどの計算式で計算してみてください。

いくらになりましたか?

花王の配当利回り

配当利回り = 130円(1株あたり配当)÷ 8,814円(株価) = 約1.47%

約1.47%だということが分かりました!

100万円を投資すると、1年で1.47万円程度の配当を得られるということですね。

さて、今回も念のためブルームバーグを確認しておきましょう。

ブルームバーグより

左列の下から2段目、配当利回りが1.47%であることが確認できました。

バッチリですね!

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配当利回りの平均は?

さて、それでは配当利回りは平均すると、どのくらいなのでしょうか?

日本株の平均配当利回り

日本株の中で、主な銘柄が上場されている東証一部の平均配当利回りを確認してみましょう。

手っ取り早いのは、日経新聞電子版の国内株式指標のページをチェックする方法です。

東証1部全銘柄の平均配当利回りは1.87%

左側が前期の配当額を「1株あたり配当」に用いて計算した配当利回りで、右側が各企業が出している次の配当予想額を「1株あたり配当」に用いて計算した配当利回りです。

配当利回りで今後のリターンを考える場合には、右側の会社予想をベースにした配当利回りを使う方が実態に即しているものの、あくまでも会社予想であり、配当額が変わる可能性がある点に注意が必要です。

いずれにせよ、日本企業(東証1部)の株式の場合、平均して2%弱程度の配当利回りであることが分かりました。

米国株の平均配当利回り

続いて、米国企業の配当利回りを見てみましょう。

ここでは、アメリカの代表的な500企業から構成されるインデックス指数であるS&P500の配当利回りを見てみましょう。

「S&P 500 Dividend Yield」より

上のグラフは、S&P500の配当利回りの推移をグラフ化したものです。

一番右側が現在のS&P500の配当利回りですが、1.90%となっています。

日本株と同じく、2%弱程度となっています。

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配当利回りを目安に用いる際の注意点

さて、日本株、米国株ともに配当利回りの平均は2%弱程度であることが分かりました。なお、一般に配当を目的に投資をする場合、少なくとも配当利回り3%は欲しいところです。

しかし、配当利回りが3%以上であったとしても、以下の点に注意しなければなりません。

継続性のある配当なのか

最も大切なのは、その配当利回りが一時的なものではなくて、継続的に受け取ることができる配当をベースに計算されているのかということです。

たとえば、以下のようなケースを考えてみてください。

1株あたり配当と株価の推移

  • 2015年:1株あたり配当が80円、株価が8,000円
  • 2016年:1株あたり配当が70円、株価が7,500円
  • 2017年:1株あたり配当が90円、株価が8,100円
  • 2018年:1株あたり配当が380円、株価が8,500円

この場合、2018年の数値を用いて配当利回りを計算すると約4.47%となり、十分に満足できる配当利回りとなっています。

しかし、過去の推移を見てみると、どうでしょうか。

今年いきなり配当が380円に増えていますが、昨年までは1株あたり配当は100円以下です。このような場合には、今年だけ大きく儲かったので配当額が増えたけれども、来年以降はまた元の水準に戻るかもしれません。

このように配当利回りをベースに割安・割高を判断する場合には、その配当水準が継続的なものなのか確認する必要があります。

配当の継続性を、配当性向の推移から確認しよう

それでは、その配当が継続的に支払われるようなものであるかは、どのようにして見れば良いのでしょうか。

簡単な方法は「フリーキャッシュフローの推移」と「配当性向」を確認することです。

フリーキャッシュフローの推移

まずは、フリーキャッシュフローが安定しているかを確認します。

フリーキャッシュフローというのは、本業の儲けを示す「営業キャッシュフロー」から「設備投資費用」などを差し引いたものです。

営業キャッシュフローとは、企業の純利益のようなものですが、配当の継続性を見る際には、純利益よりもキャッシュフローを用います。なぜなら、企業の純利益というのは、すでに取得した資産の減価償却など、実際にはお金が動いていないのに、利益が計上されたり、損失が計上されたりするからです。

配当は、基本的には企業が毎年実際に稼いだお金が元となって支払われるため、キャッシュフローの方を見ておいた方が実態に近いわけです。

さて、営業キャッシュフローから、その企業が引き続き活動していくために必要な設備投資費用などを引いた残りがフリーキャッシュフローですから、これは企業が自由に使えるお金ということです。もしも企業が払おうと思えば、全額を配当として株主に還元することも可能です。

このフリーキャッシュフローが安定している会社であれば、そこから支払う毎年の配当も安定するだろうというわけです。

さて、それでは先ほどの花王のフリーキャッシュフローの推移をIR BANKで見てみましょう。

花王のキャッシュフロー

グラフの中で、各年度の左から4つ目の赤色のグラフが「フリーキャッシュフロー」です。

花王は、フリーキャッシュフローが比較的安定してプラスで推移していることが分かります。2013年頃は少し落ち込んでいますが、直近はまた回復しています。

配当性向とは?

フリーキャッシュフローの推移を確認したら、続いて、配当性向を確認しましょう。

配当性向とは、EPS(1株あたり利益)のうち、どのくらいの割合が配当に充てられているかという指標です。

配当性向の計算式

配当性向 = 1株あたり配当 ÷ 1株あたり利益

たとえば、ある企業の1株あたり利益が100円で、そのうち80円を配当として株主に支払っていた場合、配当性向は80%となります。

これが100%近くであったり、100%を超えていたりすると、利益の大部分を配当として支払っているということになります。つまり、結構無理をして配当を払っているということです。言い換えると、配当性向が100%に近い企業は、今後の配当の継続性に疑念が生じるということです。

厳密には、この配当性向についても、利益ではなくフリーキャッシュフローを用いて計算した方が実態にあいますが、一般的には1株あたり利益をベースに計算された数値が用いられるので、ここでは同様に1株あたり利益をベースにした数値を用います。

IR BANKで、先ほどの花王の配当性向の推移を確認してみましょう。

花王の配当性向の推移

花王の配当性向は、先ほどのフリーキャッシュフローが落ち込んでいた2010年頃には一時期70%台に、2012年頃にも60%台に達していましたが、現在は40%弱となっています。つまり、1株あたり利益の40%程度しか配当として株主に支払っておらず、まだまだ余裕があるということです。

配当の継続性に関するまとめ

このように花王はフリーキャッシュフローも安定してプラスで推移しており、配当性向も40%程度に収まっているため、今後も安定した配当の支払いが期待できると考えられるわけです。

もう一度、整理しておきましょう。

配当の継続性を判断するポイント

  1. フリーキャッシュフローの推移
  2. 配当性向

この2点を確認するようにしてください。

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配当利回りを用いたバリュエーション

さて、最後に配当利回りを用いたバリュエーションについて触れておきます。

配当が安定している場合、配当利回りを用いて、期待リターンを簡単に計算することができます。

配当利回りを用いた期待リターンの計算式

期待リターン = 配当利回り + 増配率

増配率とは、毎年どのくらい配当の額が増えていくかという割合です。

たとえば、毎年100円→110円→121円と10%ずつ増えていく場合は10%です。横ばいで増えていない場合は0%です。

さて、配当利回りが3%で増配率が6%だと、期待リターンは9%であると計算できるわけです。

平均的な株のリターンが6.5%〜7%とされているので、これをもとに株の割高・割安を判断することができます。もしも、7%を大きく超えていれば、割安なので買いのチャンスだということです。

配当利回りを上手に用いよう!

配当利回りは、継続的に一定額の配当を出している企業以外では使いにくい指標ではありますが、安定して配当を支払っている企業のバリュエーションには非常に役に立ちます。

ぜひ、この記事で配当利回りの基本を覚えて、投資に役立ててください。

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